交通部観光局(日本の観光庁に相当)が日本の京浜急行電鉄株式会社と提携し、文化に焦点を合わせた台湾観光の宣伝を駅広告で行っている。宣伝の重点は台湾が持つ世界レベルの舞台芸術施設3カ所。22日午後には京浜急行の羽田国際線ターミナル駅で、観光局の周永暉局長、国家表演芸術中心(ナショナル・パフォーミングアーツ・センター)の朱宗慶董事長(理事長)、京浜急行の原田一之社長が共同で宣伝活動スタートを宣言するセレモニーを執り行った。
観光局によると、台湾では近年「文化パワー」が非常に充実しており、台湾北部・台北市の「両庁院」(国家戯劇院=ナショナルシアターホールと国家音楽庁=ナショナルコンサートホール)、中部・台中市の台中国立歌劇院、南部・高雄市の衛武営国家芸術文化センターなど、台湾の北部・中部・南部の各地に国際レベルの舞台芸術施設が整っている。このため観光局では「文化観光」の拡大に向けて、地元もしくは世界的に有名なパフォーマンス団体の特色をアピールする広告を東京国際空港(羽田空港)の駅入口壁面に登場させることにした。
「両庁院」と台中国立歌劇院、衛武営国家芸術文化センターはいずれも国家表演芸術中心が運営する施設。観光局では2018年10月に国家表演芸術中心と協力覚書を締結、「文化を軸とした観光の推進」を新たな理念とし、海外からの観光客を対象に舞台芸術のプログラムや芸術文化イベントを共同でアピールしていくことに決めた。海外から旅行者を広く台湾に呼び込み、これらの人たちが台湾で芸術に触れ、生活を体験し、台湾での暮らしを身近に感じてもらえるよう働きかけていく。
観光局と国家表演芸術中心では今回、「海外からの旅行者を対象とした観劇優遇プラン」を共同で打ち出している。これは「両庁院」、台中国立歌劇院、衛武営国家芸術文化センターで行われる公演から海外の人たちにも魅力的な演目を選び出し、短期旅行で台湾を訪れる海外の人たちが特定のルートでその演目のチケットを購入した場合に同伴者1人分を無料にするというプラン。また、海外からこうした施設を訪れる人には無料でガイドサービスを提供する。
国家表演芸術中心の朱宗慶董事長によれば、今回は日本の国際的な建築家、伊東豊雄さんが手がけた台中国立歌劇院を中心に、30年以上の歴史を持つ著名なナショナルシアターホールとナショナルコンサートホール、そして昨年10月に完成するやいなや世界の注目を集め、「叙事詩のような建築物」と称えられた高雄の衛武営国家芸術文化センターを特に紹介していく。朱宗慶董事長は、日本の人たちが自ら台湾を訪れて、文化と芸術の彩りに満ちた、多様な台湾観光を体験してくれるよう期待している。
観光局による京浜急行羽田国際線ターミナル駅での広告は2021年12月まで。