「スマート観光」の推進を目指す交通部観光局(日本の観光庁に相当)は28日、台湾初となる官制の宿泊予約サイト「台湾旅宿網」の運営を開始した。
もともと「台湾旅宿網」は台湾各地の合法ホテル業者の情報を提供するサイトで、そのホテルの利用を希望するユーザーは、各業者の公式サイトにアクセスして、それぞれ宿泊予約を行う必要があった。28日より「台湾旅宿網」は、ユーザーが直接宿泊予約を行うことができるプラットフォームに生まれ変わった。
宿泊予約サイト「台湾旅宿網」は現在、繁体字中国語、英語、日本語のサービスを提供している。実際の利用状況を見て、その他の言語を追加して、合法ホテル業者のマーケティングに協力するかどうかを決めるとしている。交通部観光局は同時に、宿泊施設が合法であることを証明するマーク「合法旅宿標章」を活用することで、宿泊客に対する安全の保障とする。このサイトを利用することで、ユーザーが安心、信頼して合法ホテルの宿泊予約を行い、そのサービスに「心温まる」ことを願っている。
ホテルやフライトの予約をオンラインで行う、いわゆるOnline Travel Agency (OTA)はある種の新しい形態の旅行スタイルとなっている。オンラインでホテルの宿泊料を比較し、予約し、旅行の日程を決めるというサービスが、個人旅行客の消費習慣を徐々に変えつつある。
現在、台湾のホテル、民宿などの宿泊施設は合計1万2,000軒余り、提供可能な客室は23万室を超える。これらの業者が国内外のOTAプラットフォームに加わる場合、予約が成立すると手数料として2割近くをOTAプラットフォームに支払う必要がある。これが、宿泊施設の経営者の利益を圧迫している。観光局は国内の業者を助けるため、独自にOTAプラットフォームを立ち上げ、台湾の旅行市場の競争力を引き上げることにした。
「台湾旅宿網」は非営利のプラットフォームで、台湾の合法業者に対して無料で販路を提供する。観光局は、今後台湾人だけでなく海外の観光客も、このサイトを通して自分に合った宿を探し出すことができるよう願っている。