桃園市水務局は、市内の住宅の下水道接続を推進すると同時に、「後巷(=裏通り)」と呼ばれる小さな通りの美化に取り組んでいる。この5年間で84本の「後巷」の美化に取り組んだ。その中でも楊梅区新農街393、373巷に位置する6本の「後巷」は、壁に可愛らしいペイントが施され、見る人をほっこりさせる「童話の世界」に変身している。いまでは地元住民に人気の撮影スポットだ。
桃園市の鄭文燦市長によると、桃園市は現在、亀山区、復興区、大渓区、楊梅区、龍潭区、平鎮区、新屋区などで下水道接続工事を行っている。「後巷」と呼ばれる小さな通りの民家で公共下水道管路への接続を行う場合、少なくとも通りに片側75cm、両側150cmの工事・メンテナンス空間を残す必要がある。大部分の市民はこれに協力するため、「後巷」に設置してある障害物や私物を撤去してくれる。このため桃園市はこの機会に、条件に合致した「後巷」を選んで環境美化を進めている。
楊梅区では2018年より公共下水道管路への接続作業を進めている。そのうち新農街では、この機会に住民が「後巷」に幅2メートルの空間を作り出した。そこで市は約600万台湾元(約2,200万日本円)の経費を投じて壁にペイントを施すことにした。ベテランの画家を招き、地元の住民たちが話し合った結果、「童話の世界」を作り出すことを決めた。音楽家になった動物たちやクレーンゲームに興じる動物たちなどが、明るい色彩で描かれている。もともと薄暗く、飾り気のなかった雑多な壁が、活力と童心があふれる壁に生まれ変わった。
水務局汚水工程科の王瀚逸科長によると、今年は11本の「後巷」すべての美化を完成させることを目指している。また、2021年はさらに30本の美化を行う。対象となるのは桃園区、大渓区、楊梅区、龍潭区など。基本的には道路の表面の美化が中心であり、壁のペイントはそれぞれの立地条件などを見てから実施の可否を判断するという。