「東京タワー台湾祭2021新春」が3日、東京タワー下の特設広場で始まった。様々な台湾グルメのほか、東京媽祖廟(東京都新宿区にある東京唯一の媽祖廟。媽祖は海の守り神)の媽祖像が祭られたり、台湾南部・台南で行われる「普済殿ランタン祭り」のランタンが飾られ、台湾の雰囲気あふれる会場となっている。東京タワーは、夜7時から始まった台湾祭の開幕式典にあわせて、中華民国旗を表す青、赤、白にライトアップされ、訪れた多くの人が写真を撮っていた。
新型コロナウイルスの感染拡大により、イベントでは混雑による感染リスクを避けるため、主催団体は感染防止対策を強化、一度に入場できる人数を600人までに制限している。開催初日の混雑は例年のような賑わいはなかったものの、昨年台湾を訪れることができなかった日本人や日本在住の台湾の人々が、「本場の台湾」を味わうために多くつめかけた。
新型コロナの感染拡大が収まらない東京では今年、新年のイベント開催が自粛傾向にある。そのような中、台湾祭の開催は、多くの日本の若者たちの関心を引いた。訪れた人の中には、台湾へ行ったことのない人も多く、今回のイベントを通じて台湾への興味を覚えたという声も聞かれた。
今年は、台湾グルメの定番「小籠包」から、「魯肉飯(豚バラそぼろ丼)」、「葱油餅(ネギ入りお焼き)」、「炸雞排(チキンカツ)」、駅弁としてもよく売られる「排骨飯」、「担仔麺(肉そぼろをのせた海老出汁スープ麺)」、「甜不辣(台湾風さつま揚げ)」、「大根もち」、「台湾ソーセージ」など人気の屋台グルメが出店している。数々の台湾グルメを目の当たりにした若い日本人来場者は、「お馴染みのタピオカミルクティのほか、テレビ番組で紹介されている台湾グルメを味わえる珍しい機会だ」と語った。
イベントは11日までで、入場券は当日券のほか、台湾のオンライン予約サイト・アプリ「kkday」でも購入できる。新型コロナの感染拡大が続く東京都は、小池百合子知事が緊急事態宣言の発出を検討するよう要請した。緊急事態宣言が発出された場合、11日までのイベントが途中で中止となる可能性もあり、主催団体も頭を悩ませている。