台北メトロをはじめとする公共交通機関ならびに少額消費で使用できるプリペイド式の交通系非接触ICカード「悠遊卡(easy card)」の発行会社、悠遊卡股份有限公司が、同カードが11月7日より日本・沖縄県の2,000を超える商店で使用できるようになると発表した。その時の為替レートで台湾元に換算されて引き落とされる(精算される)。手数料はかからない。また「超級悠遊卡(super easy card)」ならば携帯電話で直接チャージすることも可能だという。
悠遊卡公司は23日、「悠遊卡」の「沖縄進出」に関する記者会見を開催。あいさつに立った台湾北部・台北市の柯文哲市長は、「台湾を世界に送り出し、世界を台湾に呼び込むため『悠遊卡』の『越境支払い』はとても重要な一歩であり、今日は喜ばしい日だ。2年遅れたとは言え、ついに『悠遊卡』の世界進出を宣言出来る。最初は日本の沖縄だ」と述べた。柯台北市長は、新型コロナウイルスが下火になり、各国が徐々に入国規制の緩和に乗り出す中、「悠遊卡」を持つ台湾の人たちが沖縄に遊びに行けるようになるばかりでなく、沖縄の人が地元で「悠遊卡」を購入して台湾で使うことも出来るようになることを指摘、「『悠遊卡』を通じて台湾と日本の関係をつなげられる」と期待した。
柯市長はさらに、市民が「台湾之光」(台湾の誇り、台湾の星)である「悠遊卡」を持って海外に出かけ、優れた物事を学んで持ち帰るよう希望すると共に、自らも12月末に現金を持たずに沖縄への日帰り旅行をする考えを明らかにした。
悠遊卡公司の陳亭如董事長(=会長)は、沖縄で使うなら「悠遊卡」は他の支払い方法と比べてより便利だと指摘、消費金額がその時の為替レートで換算されて引き落とされるほか手数料もかからず、お釣りの硬貨を受け取ったり、使い切れない小銭を台湾に持ち帰ったりしなくていいと強調した。
悠遊卡公司では、飛行機で約1時間半という沖縄は台湾の人たちに最も人気の高い海外旅行先の一つだとした上で、11月7日より本人が20歳以上で記名式(実名)の「悠遊卡」を所持していれば、沖縄県にある2,000を超える商店で「悠遊卡」を非接触型カードリーダーにかざすだけで消費出来ると説明した。同社によれば、沖縄美ら海水族館内の商店、道の駅許田、坂下水産などで使用出来るほか、タクシーやバスなどでも使用可能。詳細は悠遊卡公司の公式ウェブサイトで調べることが出来る。
なお、一般の「悠遊卡」は一回の消費金額の上限が1,500台湾元(約6,800日本円)。悠遊卡公司では、沖縄で残額不足とならないよう台湾で十分チャージしていくよう注意している。また、「超級悠遊卡」は一回の上限が1万台湾元(約4万5,500日本円)。携帯電話のアプリ「EasyWallet悠遊付」でいつでもどこでもチャージが出来るという。