在来線の苗栗駅近くに機関車と客家(ハッカ、台湾第2の規模を持つエスニック・グループ)の文化を組み合わせたテーマパーク「苗栗火車頭園区(=苗栗機関車パーク)」が完成した。5日に竣工式が行われ、行政院の陳建仁院長(=首相)らが出席した。
「苗栗火車頭園区(Miaoli Locomotive Park)」は台湾で初めて機関車(中国語表記は火車頭)をテーマにした施設で、鉄道と、苗栗に多く住む客家の人々の文化を融合させた展示を行う。開園は今年6月になる予定。開園後は周辺の観光スポットと連動して、魅力ある観光ルートを形成することができると期待されている。
「苗栗火車頭園区」の前身は「苗栗鉄道文物展示館」だ。2019年、当時行政院長だった蘇貞昌氏は苗栗駅周辺環境の再開発や鉄道関係者の旧職員宿舎「鉄路一村」のリノベーション計画などを視察。その際、「苗栗鉄道文化展示館」にも足を踏み入れ、さまざまな機関車が保存されているのを見て、ここを機関車をテーマとした施設とし、鉄道に関する貴重な文物を保存し、苗栗の観光産業を発展させるよう指示した。この指示に基づいて完成したのが「火車頭園区」だ。
竣工式に出席した行政院の陳建仁院長も、この周辺には苗栗駅のほか、苗栗市の功維敘隧道(日本統治時代の1903年に作られた全長460mの鉄道トンネル)、廃線となった軌道を利用した旧山線レールバイク(苗栗県三義郷)や台湾客家文化館(苗栗県銅鑼郷)などがあり、素晴らしい観光ルートを形成することができるだろうとと述べた。
「火車頭園区」は敷地面積約5,700坪を持つ。将来的には台湾鉄道史において記念価値のある貴重な機関車約10台を展示する。園内には、蒸気機関車を動かすのに欠かせない「石炭をくべる」技術に挑戦できるコーナーもあり、鉄道文化の特殊な文化を体験できることになる。
「苗栗火車頭園区」の経営と管理は今後、国営会社化した国営台鉄公司が請け負う。