交通部観光署(日本の観光庁に相当)は訪台外国人客のさらなる誘致を図るため、日本、韓国、香港・マカオ、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどの主力市場に加え、次の重要なターゲットとして高い消費力を持つインドとインドネシアに着目している。そのうち、インド向けのプロモーション強化として、交通部観光署は今年2月7日、インド最大の経済都市ムンバイに新事務所「駐孟買台湾観光服務処」を開設した。これに続いて6月20日から25日までの期間、インドで企業の報奨旅行(インセンティブツアー)を専門に請け負う旅行社など10社を台湾に招くファムトリップを実施した。個人旅行ではない報奨旅行はMICE、つまり企業等の会議(Meeting)、企業などが行うインセンティブツアー・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)を構成する要素の一つとなる。交通部観光署は、短期目標としてまずインドのMICE市場を開拓し、長期目標として一般の旅客を開拓する戦略を立てている。
今回のファムトリップ第1弾は台湾北東部の宜蘭を中心に行われた。参加したインドの旅行会社の関係者たちは、宜蘭・頭城の農場で農村生活や大自然を楽しむなどレジャー農場の魅力について理解を深めた。また、国立伝統芸能センターでは台湾のレトロな風情、文化、歴史ある文化財、伝統建築などに触れ、知性と感性をそなえた文化の旅を体験した。さらに、東北角及び宜蘭海岸国家風景区では山あり海ありの景色を眺め、台北滞在中は円山大飯店(グランドホテル台北)の「秘密の地下トンネルツアー」や大稲埕での「レトロ衣装体験」なども楽しんだ。
24日には台湾の観光業者と対面式で交流・商談ができるよう、「台湾・インドB2Bマッチング商談・交流会」を開催。台湾の旅行社、ホテル、観光・旅行業者など約15社が参加した。
なお、交通部観光署は今年下期、再びインドの業者を対象としたファムトリップを実施する。次回は中南部を訪れる予定だという。