台湾では旧暦1月15日、すなわち「元宵節」(今年は新暦2月12日)を「観光節」と定めている。交通部観光署は10日、毎年恒例となっている「観光節」の祝賀大会兼表彰式を開催した。今年は国内外の観光産業団体や従業員など合計157名を表彰し、台湾観光のための努力と寄与に感謝した。イベントには300人を超える人が集まった。
このイベントには行政院の龔明鑫秘書長と交通部の陳世凱部長が参加し、台湾観光産業への支持を実際の行動で示した。龔秘書長は、「総統と行政院長は公務のため来ることができなかったが、自分が行政院を代表して今年の受賞者に謝意を示したい」とあいさつ。また、行政院は台湾の観光産業にとって堅実な後ろ盾になっていると指摘し、その具体例として2024年には(頼清徳総統が打ち出した)「国家希望工程」(希望のための国家プロジェクト)の中で観光振興を国の重要な政策と位置付けたこと、「行政院経済発展委員会」では「台湾6大エリアにおける旗艦プロジェクト」で「低炭素・サステナブル・グリーン」観光を推進していることなどを挙げた。また、旧正月前に招集した「行政院観光産業振興諮詢会議」では、引き続き中央政府の各省庁や地方自治体、民間企業などによる官民セクターの意思疎通と協力を強化し、産官学連携を通して、台湾の観光の競争力をさらに高めていくことで一致したとして、外国人旅客が「一度来たら再び来たくなり、台湾を知り、台湾を愛する」ようになることを期待していると述べた。
なお、今大会の「台湾観光特別貢献賞」は自転車大手である巨大(ジャイアント)グループの創業者、劉金標氏に授与された。劉氏は「台湾唯一」、「世界唯一」の理念を掲げ、ジャイアントという自社ブランドを打ち立て、自転車分野で世界のリーディングカンパニーに上り詰め、台湾の産業の誇りとなった。劉氏はまた、自転車を使ったスポーツの普及に努め、その身をもってこれを実践。台湾の自転車イベントの発展を全面的にサポートした。さらには、政府と連携して自転車のシェアリングサービス『YouBike(微笑単車)』のシステムを構築。観光に便利な公共交通ネットワークを整備し、自転車旅行ブームを引き起すとともに、グリーンなエネルギーや環境保護に力を入れている台湾の国際的イメージを高め、台湾観光に実質的な利益をもたらしたのが表彰の理由だ。
観光産業によるサステナブルツアーの推進を奨励するため、交通部観光署は今年初めて『永続旅遊推広貢献奨』(サステナブルツアー推進貢献賞)を設置。台湾永続能源研究基金会(TAISE)の簡又新董事長、雲朗観光グループの盛治仁董事長、原森旅行社、楽亜旅行社、頭城休閒農場、台中市観光旅遊局、台南市観光旅遊局の6組に同賞が授与された。また、台湾観光業界の最高栄誉である第2回「台湾観光金奨」、「台湾観光貢献奨」、「観光遊楽業督導考核競賽奨」、「旅館業及民宿管理輔導績效考核績優県市」、「政府機関優良観光人員」、「台湾観光之友」などの各賞が授与され、優れた観光人材への謝意が示された。