コロナ禍後、長らく途絶えていたインドからの大型インセンティブ旅行が今月9日以降、順次台湾を訪れている。合計800人近くの団体が食事、宿泊、観光、ショッピングなど、台湾の多様な魅力を体験している。
この団体は、インドの旅行会社Axplore Travelplusが、インド企業Asian Paint Limitedの委託を受けて手配したもの。団体は6つのグループに分かれ、今月9日から25日にかけて順次台湾に到着し、4泊5日の旅を楽んでいる。台北市の猫空(マオコン)で台湾茶を飲んだり、大稻埕で伝統文化に触れるほか、西門町や台北101ビル、台北市立動物園を訪れたり、宜蘭県東澳のビーチでのアウトドアのアクティビティを楽しむなどクラシックなコースが組まれている。初めて台湾を訪れるというインド人旅客がほとんどを占める中、台湾観光の魅力を十分味わえるように工夫されている。このインセンティブ旅行の受け入れで、台湾に少なくとも3,000万元(約1.4億円)の経済効果がもたらされると推定されている。
交通部観光署によると、総人口で世界一を誇るインドは長い「人口ボーナス期」に突入し、近年経済力が急速に成長している。「新たな富裕層」や「ビジネス層」の台頭と、コロナ禍後の出国意欲の高まりにより、2024年の総出国者数は延べ約3,000万人に達した。このため、インドは開拓の潜在能力が高い、価値ある観光市場と見られている。そんなインド市場を迅速に開拓するため、交通部観光署は昨年2月、インド最大の経済都市ムンバイに「駐ムンバイ台湾観光サービス分処(TTIC)」を設立。現地の旅行社などと積極的に接触を図り、台湾観光の最新情報を提供するほか、インドの旅行会社(MICEツアーを専門に扱う会社や一般のレジャー・旅行商品を扱う会社を含む)、メディア、インフルエンサーなどを台湾に招待し、ファムツアーを通して台湾への理解を深めてもらった。また、B2B(業者対象)の商談会も開催し、台湾の業者と対面式で商談を行う機会を提供したり、ビジネスをつなげるチャネルを確立するなどしてきた。
今回台湾への誘致に成功したインセンティブ旅行は、インドの旅行会社Axplore Travelplusが企画したもの。同社は昨年6月、台湾を視察したMICE業者の一つだ。視察団は、台湾が提供する豊かで質の高い旅行環境に強く感銘を受け、台湾が今後、インドのインセンティブ旅行にとって、理想的な目的地の一つになるだろうと自信を持ったという。Axplore Travelplusはそのわずか半年後に、最初のインセンティブ旅行の団体を台湾に連れてきており、今年の台湾インバウンド市場にとって幸先の良いスタートとなっている。