2025/02/23

Taiwan Today

観光

雲嘉南管理処と鹿児島県出水市がMOU、エコツーリズム、観光活動、観光振興で協力

2025/02/20
交通部観光局雲嘉南浜海国家風景区管理処は19日、日本の鹿児島県出水市とエコツーリズム(生態観光)、観光活動、観光振興に関する協力覚書(MOU)を締結した。(交通部)
交通部観光署(日本の観光庁に相当)雲嘉南浜海国家風景区管理処(以下、雲嘉南管理処)は19日、日本の鹿児島県出水市とエコツーリズム(生態観光)、観光活動、観光振興に関する協力覚書(MOU)を締結した。締結式は台湾で行われ、交通部観光署の林信任副署長が立ち会う中、雲嘉南管理処の徐振能処長と出水市の椎木伸一市長が署名した。出水市商工観光部の戸崎基夫部長、ツル博物館クレインパークいずみの堀昌伸館長などが同席し、野鳥観察や野鳥保護、エコツーリズムなどの分野における台湾と日本の新たな協力の始まりを祝った。
 
台湾は世界に9つある主要なフライウェイ(渡り鳥のルート)の一つが通り、南下や北帰行中の渡り鳥にとって、豊かな湿地生態系を持つ雲嘉南浜海地域は非常に理想的な休憩地点となっている。中華民国野鳥学会が発表した「2023年台湾鳥類名録」によると、台湾に生息する鳥類は686種で、うち台湾固有種32種、固有亜種52種と、非常に豊かな鳥類資源を誇ることが分かっている。一方、これに似た特徴を持つ日本の鹿児島県出水市では、毎年10月中旬から12月にかけて1万羽以上のツルがシベリアから飛来し、3月頃まで越冬する。飛来するツルの種類は日本一とも言われる。双方は似たような自然資源を持ち、且つ相互補完の関係にある。このことがエコツーリズムや教育、観光などの分野で双方が協力を深めるための強固な基盤となった。
 
観光署の林副署長によると、今回締結されたMOUには、AIを活用した鳥類認識システムの導入により重要な鳥類情報を交換することや、雲嘉南浜海地域と出水市の産業の魅力や特色ある観光地を開拓したり、交流を広めたりするため、バードウォッチングを含むエコツアーを企画することや、互いの観光PR、観光イベントの開催などでも協力することが盛り込まれた。また、雲嘉南管理処では毎年2月を「出水月」と定め、鳥類をテーマにした写真展を開催し、より多くの旅客に雲嘉南浜海地域と出水市の自然や生態系の美しさを深く理解し、体験してもらいたいと考えている。
 
出水市の椎木市長は、出水市がツルの保護において長年経験を積んできたことを踏まえ、「将来的には台湾の専門家や機関との交流を通じて、次世代のためによりサステナブルなエコツーリズムの環境を残していきたい」と期待を示した。
 
今回の協力は台湾と日本の友好関係を強化するだけでなく、雲嘉南浜海地域の国際知名度を高め、台湾が海外に誇るバードウォッチング・エコツーリズムの重要なモデル基地を作ることが期待される。
 
 

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