英国からの旅客が増えていることに着目すると同時に、Z世代(1990年代半ば~2010年代初頭生まれ)の誘客に力を入れるため、交通部観光署(日本の観光庁に相当)は4月24日から30日までの6泊7日の日程で、英国のインフルエンサー4人を台湾に招待し、台湾観光の魅力に触れてもらった。招待したのは下記の4人。
■Jenifer(@izkiz):旅行系ブロガーのJennifer Tuffenさんが運営。インスタグラムで260万人のフォロワーを持ち、月間リーチは500万人以上。
■Umit(@iamtravelr):旅行系ブロガーのUmit Yorukさんが運営。インスタグラムで140万人以上のフォロワーを持ち、月間リーチは100万人以上。
■Hand Luggage Only(@handluggageonly):ヤヤ(Yaya)さんとロイド(Lloyd)さんの2人の旅行系ブロガーが運営する。インスタグラムで250万人のフォロワーを持ち、月間リーチは550万人以上。
これら4人のフォロワーは合計すると650万人を超え、その影響力は英国のみならず欧州各地のZ世代に及ぶ。日程は観光署ロンドン事務所と嘉義県が合同で企画した。嘉義県は2026年の台湾ランタンフェスティバル(観光署主催)の開催地に決まっているほか、米ニューヨーク・タイムズ『The New York Times』が発表した「2025に行くべき52カ所」(52 Places to Go in 2025)の19位に選ばれた阿里山国家風景区を持つ。一行はまず阿里山のツォウ族集落「優遊吧斯」を訪れ、台湾の先住民族のグルメや文化を体験。ツォウ族の伝統的な踊りに加わるなどして、先住民族文化の魅力を身をもって体験した。また、阿里山では高山茶の農園を訪れ、嘉義ならではのゆったりとしたティータイムを楽しんだ。次に一行が向かったのは、米CNNが発表した「2024年に訪れるべき24か所」の一つに選ばれた台南市。ここでは「台湾式シャンプー」を体験したほか、古い街並みを散策しながら地元のグルメに舌鼓を打ち、歴史と文化が織りなす独特の雰囲気を楽しんだ。
今回の旅行に参加した英国のインフルエンサーたちは、もともと鉄道観光や茶文化などになじみはあったものの、実際に阿里山の茶畑を訪れてゆっくりとお茶を味わったことで、台湾のお茶が持つ独特で奥行きのある風味に驚いた様子だった。また、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚など五感すべてを刺激するヒノキ列車「福森号」の乗車体験にも大きな感動を受けた様子だった。
インフルエンサーたちは今回の旅を通じて、台湾が都市の魅力、地域の文化、そして自然の美しさを兼ね備えた多彩な観光地であることを強く実感したと言う。さらには台湾の人々の温かさ、ホスピタリティ、フレンドリー、そして高い民度などに深い感銘を受けたとし、今後機会があればまたぜひ台湾を訪れたいと語っていた。