観光署の周永暉署長は、「台日観光サミットは台湾と日本の観光業界にとって毎年恒例の重要なイベントだ。このプラットフォームを通じて、台湾と日本は観光産業の発展と相互交流に関する踏み込んだ対話を行い、協力の機会を広げていきたい」と述べた。また、2008年の第1回サミットが台北の圓山大飯店(グランドホテル)で開催されたこと、2015年には「台湾美食展」と「鉄路弁当節」(駅弁祭り)に合わせた開催で、新たなビジネスとアイデアを生み出したことなどを振り返った。
観光署東京事務所の王紹旬主任はこのサミットで行った基調講演の中で、台湾が市場を細分化したマーケティングに力を入れていることを紹介し、例えば修学旅行、クルーズ観光、ハイエンド旅行、鉄道旅行、親子旅行などをテーマにプロモーションを行い、それに加えて台湾のグルメ、アニメ、客家(ハッカ)文化、先住民族文化といったソフトパワーを活かし、コンサートや低炭素旅行にも力を入れていること、台湾観光ブランドの認知度を高めることで、より多くの日本人旅客から旅行の目的地として優先的に台湾を選んでもらえるよう努力していることなどを説明した。
なお、今回のサミットは、タイガーエア台湾(中華航空傘下の格安航空会社)の台北・鳥取線の就航に合わせて行われた。台湾の代表団は第1便で米子空港(鳥取県)に到着し、サミットに出席した。これは台日間の航空便が安定して増加していることを示すとともに、観光交流の推進にかける双方の強い決意と行動力を体現するものとなった。
このサミットは、台日双方による「鳥取宣言」の発表をもって幕を閉じた。双方は「持続可能性」を指標とし、時代の潮流に即した交流を推進していくことで合意。具体的には、地域文化、自然、グルメなどを旅行商品に取り入れ、観光客が伝統と文化体験を通して現地の魅力を感じることができるようにすることや、観光を通じて地域経済の活性化と環境保護を両立させ、持続可能な観光を実現することなどが挙げられた。
次回、2026年の「第17回台日観光サミット」は台湾北西部・苗栗県で開催される。