2025/05/09

Taiwan Today

観光

台湾の離島を旅しよう―澎湖編

2013/03/19
ハートが連なったような形の「双心石滬」は恋人たちに人気。(李昆鴻撮影、中華民国交通部観光局提供)

台湾最大の離島、澎湖諸島は、台湾海峡に浮かぶ90の島嶼から成る群島で、総面積は約126平方キロメートルある。昨年には世界で最も美しい砂浜の一つに選ばれた。

澎湖は地理的には、澎湖本島と、北海諸島、南海諸島の3つの区域に分けられる。澎湖本島の馬公市は澎湖県の行政の中心となっている。馬公市の地元の信仰の中心、澎湖馬公天后宮は、台湾でも最も古くに建てられた媽祖(海の女神)を祭る廟で、国定史跡に指定されている。天后宮の建物の軒の左右と梁(はり)の上には、古色を帯びた彫刻が施され、当時の極めて優れた工芸の技法を今に伝えている。

澎湖の波の音に耳を傾けるなら、本島南端の「風櫃洞」に行ってみよう。澎湖本島の南岸は、玄武岩でできているが、これが長年波に洗われた結果、岩の下の方が浸食され狭く長い洞窟ができている。洞窟の上の方には、岩の裂け目があり、陸上に通じている。70%まで潮が満ちたとき、海の波がちょうど浸食された下の穴から入り込み、海水が圧縮された空気とともに岩の裂け目から地上に噴き出すとき、巨大な波音を発する。波が引くときには、岩の上方の裂け目から空気が吸い込まれるため、また大きな吸気音が聞こえる。これがまるで、昔の台所で火を起こすときに使う送風器「風櫃(ふいご)」の音のように聞こえるため、この名前が付けられた。

澎湖本島の海上大橋の前には、300年を超えるガジュマルの老木が生えている。この木は澎湖で最も大きな木陰を作り出している。気根(地上茎から出た根)95本を持ち、木陰の面積は600平方メートルにも達する。

北海諸島は、吉貝嶼が中心で、南西の端には海水で運ばれてできた白い砂浜が800メートルにわたって広がる。砂浜の砂は主にサンゴと貝殻の破片でできており、青く澄み切った海が果てしなく広がり、さまざまなマリンスポーツに適している。吉貝嶼の南西にある鉄砧嶼は、夏になるとたくさんの海鳥が繁殖し、バードウォッチングに絶好のスポットとなっている。

南海諸島にある桶盤嶼は、節理(両側にずれのない岩体に発達した規則性のある割れ目)がくっきりとした玄武岩の石柱から成り、この石柱がさまざまな姿をみせ、「澎湖版イエローストーン国立公園」とも呼ばれている。また、2つのハート型に見えるロマンチックな外形からたくさんの恋人たちが訪れる「双心石滬」は、同じ南海諸島の七美嶼にある。「石滬」は、昔の人が玄武岩とサンゴ礁を積んで作った魚を捕獲するわなとして作られたため、引き潮の時間を確認して訪れると、奇麗に2つのハートが並んだ様子を見ることができる。

年に一度の「澎湖海上花火大会」は、澎湖で見ものとなっている一大行事である。今年は4月18日から6月24日までの開催となっており、詳細は公式サイトhttp://firework.tw.tranews.com/で紹介している。

澎湖に行ったからには、地元の新鮮でとびきり美味しいシーフードを味わうのをお忘れなく。また、名物のサボテンアイスは、冷たさの中に甘酸っぱい味が広がるおいしさである。帰る前には澎湖名物の黒糖蒸しケーキを土産に、楽しい思い出とともに持ち帰るのもおすすめである。

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