2025/04/29

Taiwan Today

観光

台湾の離島を旅しよう―金門編

2013/03/26
沖縄のシーサーにも似た金門の守り神、風獅爺。(金門国家公園管理処サイトより)
金門島は、台湾海峡の西側にある、中国大陸の福建省アモイ島にほど近い離島である。本島のほかに、烈嶼や大胆島など15の大小の島嶼があり、総面積は150平方キロメートルにわたる。

国民政府が1949年に台湾に移ってきたときから、金門は50余年にわたり「戦地」としての役割を果たし、台湾海峡両岸のパワーバランスが拮抗する戦場となってきた。一方で、長年にわたり軍事統制下に置かれた結果、自然生態も高い保護を受けてきた。金門島全体の4分の1を占める面積を持つ、金門国家公園は、台湾の離島初の国家公園である。

今日の金門では、伝統的な民家から、風獅爺(日本の沖縄のシーサーのような守り神)信仰、宗祠廟、民俗行事まで、あちこちに閩南文化が色濃く残されているのが分かる。

金門の各地にある廟では、神を祭ったり、祈りを捧げたりする行事が定期的に開かれている。そのうち最も規模が大きく盛り上がるのは、旧暦3月23日(今年は5月2日)の媽祖(海を守る女神)の誕生日と、旧暦4月12日(今年は5月21日)の「城隍爺(冥界をつかさどる政務官)」を迎える祭、「迎城隍」という行事である。

 

全長357メートルにもわたる戦備水路、「翟山坑道」。(金門国家公園管理処サイトより)

 

金門島にはたくさんの観光スポットがある。金沙鎮山后村の「獅子砲陣地」は、全国でも極めて珍しい坑道式の榴弾の砲陣地であり、かつて米国製の八インチ榴弾が配備され、「八二三砲戦(1958年8月23日から10月5日までの中国人民解放軍との44日間にわたる戦い)」では戦局を逆転させる役割を果たした。

金門本島の北西に位置する金門国家公園の古崗エリアは、「古寧頭の戦役(1949年10月25日から27日の金門防衛戦)」を記念する主要な場所で、「古寧頭断崖」や「古寧頭戦史館」などがある。「四維坑道」も金門では重要な軍事スポットで、地質が描く豊かなラインを望むことができる景観を持つ。

さらに、金門の南西には全長357メートルにもわたるA字型の戦備水路、「翟山坑道」が、烈嶼郷黄厝には「地雷テーマ館」がある。金沙鎮にある「陳禎恩栄坊」は、台湾で最も保存状態のよい明朝時代の牌坊(門)である。また、百年以上の樹齢のガジュマルが10本以上並ぶガジュマル園や、昔ながらの街並み、「金門老街」などすべて有名な観光スポットとなっている。

 

金門の香り豊かなコーリャン酒。(金門酒廠サイトより)

 

金門の新鮮なカキと伝統的な手延べそうめんといった小皿料理を味わったら、長い間寝かせた優雅な香りの陳年コーリャン酒や、可愛い姿の風獅爺、金門の焼き物など、お土産も忘れずに購入したい。また、「八二三砲戦」で、人民解放軍が打ち込んだ砲弾の弾殻で作った切れ味のよい金門の包丁を家族や友人に贈るのも良いだろう。

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