台湾は温泉資源の豊富な「宝島」で、珍しい冷泉を有する、世界でも数少ないところである。台湾では北から南まで、冷泉資源を持つ場所は少なくない。例えば東北部・宜蘭県の蘇澳冷泉と東岳冷泉。北部では台北市の陽明山における冷水坑冷泉及び新北市の三芝冷泉(老梅渓冷泉)。 北西部・桃園県の亀山冷泉と新竹県の北埔冷泉(内大坪冷泉)。中部では南投県の国姓冷泉、竹山冷泉及び石城谷冷泉。さらには南部・嘉義県の瑞里冷泉、高雄市の大崗山冷泉、少年渓冷泉及び六亀区の宝来冷泉。東部では花蓮県の龍澗冷泉などで、これらのうち、「天下第一泉」と呼ばれる蘇澳冷泉が最も有名である。 台湾各地に点在する冷泉の温度は一定ではなく、約15度から25度前後の「低温鉱泉」である。蘇澳冷泉は炭酸水素カルシウム泉に属し、温度は21度前後。日本占領時代に日本の軍人、竹中信景が同冷泉の水質が澄んでいてさわやか、さらにわずかな甘さを持ち、飲むことも出来ることを発見したため、当時はラムネの生産に使用された他、蘇澳の名産である羊羹も生み出した。 冷泉に入ると最初は冷たく感じるが、その温度に適応してくると体中がぽかぽかとしてすっきりする。蘇澳冷泉は皮膚病と胃の病気を治療する効能があるとされ、地元の女性たちは天然の美容ケア製品と呼ぶという。猛暑の夏、冷泉につかって疲れを癒してみてはどうだろうか。 なお、台湾の温泉に関する詳しい事情は、特別報道
「温泉資源豊富な宝島-台湾」で紹介している。