1874年に建設され、1951年に軍事的な理由から点灯を中止していた金門諸島の一つ、大坵島にある「烏坵嶼灯台」が23日、66年ぶりに点灯を再開した。この灯台の点灯は、台湾海峡における航行の安全を守るだけでなく、中華民国(台湾)の主権をアピールする狙いもある。
「烏坵嶼灯台」は別名「烏亀嶼灯台」とも呼ばれ、いまから143年前、清朝時代の1874年に建設された。イギリス人技師、David Marr Henderson氏が設計を手掛けたもので、中国大陸の福州とアモイを結ぶ航路の「海のみちしるべ」とされた。
1951年に軍事的な理由から点灯を停止したが、2001年までは財政部関税総局(日本の税関に相当)が職員を派遣してメンテナンスを続けていた。しかし、それ以降は職員も派遣せず、「烏坵嶼灯台」は運用を終了。同年1月19日以降は、現在に至るまで軍が借用していた。
中国大陸と目と鼻の先という特殊な立地から、真っ黒に塗装され、見晴しの良い高台に設置された「烏坵嶼灯台」。海軍陸戦隊の隊員らと共に台湾海峡を守る、最も強固な洋上の要塞であった。
交通部航港局の謝謂君局長によると、近年、台湾海峡両岸の緊張関係は緩和されていることから、世界に「烏坵嶼灯台」の存在を知らしめ、その主権を主張するためにも、点灯を再開すべきだと、2015年より軍の説得を続けていた。しかし、交渉は困難を極めた上、島への定期航路がないため、施工資材を運ぶのも困難が伴った。金門島から大坵島までは片道でも船で2.5時間が必要で、潮の満ち引きを考慮すると、島に上陸した作業員が作業可能な時間は約2時間程度だったという。
灯台はすでに金門県の「県定古蹟」となっている。交通部の祁文中常務次長(事務次官)は、近いうちに「国定古蹟」に昇格されることを期待していると述べた。
交通部は近年、台湾各地に点在する灯台を観光資源として利用する取り組みを進めている。しかし、現在は定期航路が存在しないため、「烏坵嶼灯台」を一般開放するのは難しく、灯台は依然として国の重要な要塞でもあることから、上陸が可能だとしても写真の撮影は禁止される見通し。