中華民国第15代正副総統選挙は来年1月11日に行われる。親民党の総統候補、宋楚瑜氏は18日、副総統候補の余湘氏と共に中央選挙委員会を訪れて立候補の届出を行った。続いて中国国民党(国民党)の総統候補、韓国瑜氏も副総統候補の張善政氏と手続きを完了。そして翌19日には再選を目指す民主進歩党(民進党)の蔡英文女史(現職の総統)が副総統候補の頼清徳氏と共に中央選挙委員会で立候補の手続きを終えた。
中央選挙委員会は11月18日から22日午後5時半(台湾時間)まで、中華民国第15代正副総統選挙の立候補届けを受け付けた。これに先立ち、国家安全局では11月7日にこの選挙における治安維持チームの編成並びに訓練終了式を挙行。専門的な訓練にパスした特殊勤務人員330人が候補者たちの安全を守ることを誓った。
訓練終了式を執り行った国家安全局の邱国正局長はあいさつの中で、これは失敗の許されない任務だとした上で、困難な課題に向き合い、しっかりとした覚悟をもってあらかじめ各方面での計画を調整しておくよう要求、全員が共に積極的かつ前向きな態度で、責任感をもって任務に取り組むよう求めた。邱局長はまた自身について、指揮官として任務の結果に対する全ての責任を負うと述べた。
邱国正局長は、総統選挙は民主国家が発展していく上での一大事で、各界の注目を集めていると指摘、国家安全局は法律に基づき関係省庁と協力して全ての候補者とその配偶者の安全を守らねばならず、責任は重大だと強調した。国家安全局特種勤務指揮センターが「正副総統選挙罷免法」によって権限を与えられ、関係省庁と協力して治安維持任務を執行することは法律によって定められた職責。同センターは「正副総統選挙罷免法」及び「特種勤務条例」の規定に従い、立候補届けが出された日から中央選挙委員会が当選者を公告した翌日の深夜12時まで、関係省庁・政府機関と協力して全ての候補者並びにその配偶者の安全確保の責務を負う。そのため国家安全局特種勤務指揮センターでは重大案件の管理モデルに従って特別な編成を行っている。
国家安全局では今回の総統選挙に向けて、各候補者用にフォルクスワーゲン社の7人乗りマルチバンを6台調達。後部座席には小型のテーブルも設置し、候補者が車内で会議を開けるようにしている。また、衛星放送でテレビニュースを見ることも出来る。外装は防弾処理が施されているほか、タイヤに銃弾が命中したとしても時速80キロメートルで距離80キロメートルを走行することが可能。また、候補者の配偶者はフォード社の警備用MONDEOで移動する。
一方、ドローンによる脅威にはSKYNETドローンジャミング(電波妨害)装置が対抗する。任務の執行期間中、ドローンによる影響や危害を防ぐため各部署がジャミング装置を機動的かつ柔軟に使えるようにし、市販されているドローンの飛行を妨害する。電波妨害の距離は2キロメートルに達する。装置の重量は5キログラムで、妨害電波を連続で80分間発信することが出来るという。
治安維持人員は新たに調達した拳銃GLOCK19を装備。軽量であるほか操作とメンテナンスが容易で、使用者に合わせてグリップを交換することが出来る。マガジンリリースボタンとスライドリリースレバーが銃の左右にあるため、右手でも左手でも使える。重量は610グラムで有効射程距離は70メートル。
狙撃銃には米国製のM24を採用。ストック(戦術銃把)や360度回転のバイポッド(二脚)、3倍から15倍までのスコープなどグレードアップ用アタッチメントが加えられる。これらのアタッチメントは総合的な安定度を高める。また、これらのアタッチメントはスナイパーが位置についてから2分以内に取り付けを終えられるという。
国家安全局特種勤務指揮センターは9月1日に治安維持勤務管制室を設置。治安維持にあたる人員は特種勤務指揮センター、国防部(日本の防衛省に相当)、内政部警政署(日本の警察庁に相当)、第一警官大隊、憲兵指揮部警衛大隊から優秀なメンバーを集めた330人。これを1チーム55人で基本となる5つのチームと1つの予備チームとした。その過程ではまず抽選で基本的なチーム分けを行い、その後の訓練の成績、並びに日常の勤務と生活態度に応じて、特に優れている者を候補者のSPとして派遣、その他の人員は私服での警護に回る。
各候補者には特種勤務人員が55人派遣される。いずれの候補者にも一律この人数で、警護対象は正副総統候補とその配偶者、子女。警護人員に余裕がある場合は柔軟な調整で対応する。
狙撃の阻止、爆発物の事前調査、ドローンへのジャミング、車両の防護機能向上などを徹底するほか、候補者の選挙活動(街頭で有権者と触れ合い、支持を訴える)における防弾措置と車両の防護機能、照明や拡声器などの補助機能を充実させる。さらに刃物にも強い3A級防弾チョッキを提供して至近距離での攻撃に備えることにしている。