中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)は6日、台湾における新型コロナウイルス感染者が1人増え、累計45人になったと発表した。
新たな感染者は、台湾北部の医療機関で発生した集団感染(クラスター)に含まれる。台湾における累計34人目の感染者と同じ病棟、別の病室に入院し、すでに退院している50代女性。濃厚接触者の検体検査を拡大して実施した結果、この集団感染に関して8人目の感染者、台湾で累計45人目の感染者と認定された。
新たに感染が確認された50代女性に直近の渡航歴はなく、2月14日に新型肺炎ではない疾病でこの医療機関に入院、2月20日に退院していた。同じ医療機関で、台湾で累計34人目となる感染者が確認されたことを受け、衛生当局が3月1日よりその濃厚接触者から検体を採取して検査を実施していたところ、最初の検査で異常が見られたため、3月5日に再検査を行い、6日に陽性反応が出た。女性は現在、陰圧室のある隔離病棟に入院している。
累計34人目となる患者が確認された後、この医療機関では関連の病棟から入院患者を移動させると共に、退院した患者がウイルスを市中でばらまかないよう、退院者にまで検査対象を拡大していたところ、この50代女性の感染が確認された。女性には退院の1日前からせきの症状があったが、それはこの女性の持病とは関係がないものだった。女性は2回目の検査で陽性が確認された。これにより、この医療機関で発生した集団感染による感染者は累計8人となった。医療機関で働くスタッフについては、4人の陽性が確認されたが、その他は検査の結果、すべて陰性となっている。
また、中央感染症指揮センターは8日の記者会見で、台湾における累計39人目の感染者の感染場所について新たな見解を発表した。台湾で39人目の感染者として認定された60代女性は、1月29日から2月21日にかけてドバイとエジプトを旅行し、帰国後に感染が判明した。エジプト滞在中にのどの痛みを感じ、せきが出るようになった。21日の帰国後、医療機関を受診した。その後の検体検査で新型コロナウイルス感染が判明した。エジプトでは現在、ナイル川のクルーズ船で新型コロナウイルスの集団感染が発生しており、海外メディアは「台湾人女性から感染が広がった可能性がある」と報道している。
中央感染症指揮センター専家諮詢小組(=専門家諮問チーム)の招集人を務める張上淳医師によると、この60代女性から採取した検体は国立台湾大学医学院附設医院に送って検査を行っており、同医院では核酸増幅法(PCR法)で感染を確認したほか、さらに検体を培養して新型コロナウイルスを分離させ、その遺伝子配列を調べた。
国立台湾大学医学院の葉秀慧教授によると、台湾で感染が拡大している新型コロナウイルスには主に4つの分岐群(clade)があるが、いずれもこの60代女性の遺伝子配列とは大きく異なることが判明した。この女性から採取したウイルスの遺伝子配列は、主にヨーロッパ、ナイジェリア、ブラジル、イタリアなどで感染が拡大しているウイルスと同属の分岐群であることから、この女性は台湾で感染したのではなく、ヨーロッパから持ち込まれたウイルスにエジプトで感染し、その後、台湾に戻ってきたと考えるのが妥当だという。