2025/09/06

Taiwan Today

政治

福島含む5県産食品に対する輸入規制の全面撤廃へ向けて60日間のパブリックコメント実施

2025/09/02
台湾の政府は、福島を含む5県産食品に対する輸入規制を全面撤廃する方針を固めた。主務官庁の衛生福利部が60日間のパブリックコメント実施し、早ければ年内にも決定される。写真は衛生福利部が作成した図。過去14年間で日本全国の食品延べ263,000件以上について、2022年2月21日から2025年7月31日まで福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品21,717件について検査を実施したが、その結果はいずれも台湾及び日本の基準に適合するもので「全部合格」だったことを説明している。(衛生福利部)
台湾の政府は、「停止輸入査験之日本食品品項別及其生産製造地区」を廃止する方針を固めた。具体的には、2011年の東京電力福島第1原発事故後、日本産の全食品に求めている産地証明書と、福島など5県産食品に求めている放射性物質の検査報告書の提出義務を廃止する。衛生福利部が8月29日にその草案を公告。60日間のパブリックコメント(意見募集)を経て、早ければ年内に決定される。廃止理由について衛生福利部は9月1日に発表したプレスリリースで以下のとおり説明した。
 
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政府は食品の安全を確保し、国民の健康を守るという前提の下、世界各国の管理状況を参考にしつつ、かつそれと足並みをそろえるべく、科学的根拠と国際基準に基づいて日本産食品に対する管理措置を通常に戻すことの是非を評価した。
 
国際原子力機関(IAEA)が開示した情報によれば、日本政府は適切な監視および対応措置を講じており、監視結果に基づいて国内の食品規制を随時更新することで、食品供給網の安全性を効果的に管理している。このため、かつては世界53か国・地域が日本産食品に対して規制を行っていたが、すでに仏領ポリネシア(2024年)も含め、49か国・地域がすべての規制を解除している。現在も日本産食品の一部またはすべての輸入を停止したり、放射線物質検査報告書や産地証明書の提出を義務付けているのは中国(香港・マカオを含む)、韓国、ロシア、そして台湾のみとなっている。
 
そのうち台湾は、国際的に比較的厳格とされる基準を参考に、我が国の食品中の放射性物質濃度の許容値を定めている。また、2022年2月21日および2024年9月25日に、日本産食品に対する輸入規制の緩和を段階的に実施してきた。2022年2月21日から2025年7月31日までの期間、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品21,717件について検査を実施し、過去14年間では日本全国の食品延べ263,000件以上の検査を実施してきたが、その結果はいずれも台湾及び日本の基準に適合するもので、不合格率は0%だった。ゆえに、わが国が行った日本産食品に関するリスク評価の結果、非自然的な放射線被ばくによるリスクは無視できるレベルであると判断された。
 
以上を踏まえ、衛生福利部は「停止輸入査験之日本食品品項別及其生産製造地区」を廃止する草案を公告した。これは、日本政府が自国内で流通制限を行っている食品については日本側が管理を行い、わが国の主管官庁は『食品安全衛生管理法』の関連規定に基づき、引き続きリスク管理メカニズムを土台とした水際でのサンプル調査を実施することで食品の安全を確保するという、「源流管理」と「水際対策」への回帰を意味する。なお、この草案には60日間のパブリックコメント(意見募集)期間が設けられており、各方面からの意見を収集する。


 

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