台湾では9月21日を「国家防災日」として、この前後に全国一斉防災演習を実施している。中央気象署はその一環として9月19日(金)午前9時21分に、台湾全土の住民を対象に、地震の発生を伝える演習用のショートメール(SMS)を一斉送信する。住民が災害発生時に迅速に対応できるように促すと同時に、防災警報や緊急警報の運用能力の強化を目指す。
中央気象署によると、今年の演習は19日午前9時21分に台湾東部の海域(琉球海溝)でマグニチュード8.5の地震が発生したとの想定で行われる。最大震度6強、震源の深さは10.0キロメートルで、この地震を起因とする津波が発生するリスクがあるというシナリオだ。
中央気象署は災害情報を一斉配信する「セル・ブロードキャスト」というシステムを用いて、市民の携帯電話に地震や津波、避難指示などの緊急情報を即時に送信する。メッセージは3段階にわけて送信される。まず、19日午前9時21分に台湾全土の住民を対象にした地震速報のテストメッセージが送信される。続いて午前9時30分に、沿岸の自治体の住民に対して津波警報のテストメッセージが送信され、最後に午前10時に津波警報解除のテストメッセージが送信される。いずれも演習であることから、中央気象署は「驚かずに、落ち着いて行動するように」と呼びかけている。
中央気象署はさらに教育部と連携し、台湾全土の学校や幼稚園でも地震を想定した避難訓練を実施する。19日午前9時21分に地震速報のテストメッセージが送信されたあと、地震から身を守るための3ステップである「DROP(姿勢を低く)、COVER(頭を守る)、HOLD ON(動かない)」の3つの避難手順を通じて、地震発生時にどのように自分自身を守るかを生徒や幼児たちに習得させる。