2025/12/11

Taiwan Today

政治

国家人権博物館で「世界人権デー」式典、頼総統:「移行期正義」は現在進行形

2025/12/08
文化部国家人権博物館は6日、白色テロ景美紀念園区で今年の「世界人権デー」式典を開催した。頼清徳総統は、陳水扁元総統及び蔡英文前総統の任期中に進められた人権政策を継続し、真相の調査と歴史をつまびらかにする作業に取り組むことを約束。「移行期正義は過去形ではなく現在進行形である」と強調した。(文化部)
文化部国家人権博物館は6日、白色テロ景美紀念園区で今年の「世界人権デー」の式典を開催した。式典には頼清徳総統、文化部の李遠部張、文化部の王時思政務次長(副大臣)、国家人権博物館の洪世芳館長、立法委員の張雅琳氏、白色テロ被害者の黄華氏など約150名が出席した。
 
頼清徳総統は、式典に出席したすべての白色テロ被害者とその遺族に敬意を表し、深い感謝の意を伝えた。そして、台湾が今日、世界から称賛されるほどの民主主義の模範となり得たのは、民主主義の先人たちが世代を超えて犠牲と努力を積み重ねてきた結果であると述べ、「皆さんは無罪であるだけでなく、前科もありません。あなた方は台湾の民主主義の英雄です。私は国民を代表して、皆さんに敬意を表します」と強調した。頼総統はまた、台湾は人権国家であり、政府は人権保障を堅持し、国家の安全を守り、かつてのように民主主義と自由のない時代へ後戻りすることは決してないと約束した。
 
頼総統はさらに、陳水扁元総統及び蔡英文前総統の任期中に進められた人権政策を継続し、真相の調査と歴史をつまびらかにする作業に取り組むと述べ、「移行期正義は過去形ではなく現在進行形である」と強調した。また、先月正式に開館した国家档案館(公文書館)や、政治関連の公文書の開示などはその重要な成果の一つだと説明した。
 
文化部の李遠部長は、毎年「世界人権デー」前に国家人権博物館に集うことは、自分にとってまるで家族の集まりのようだと述べ、白色テロなどの犠牲となった先人たちとその家族への敬意を示すとともに、人権の重要性をより広く知ってもらいたいと述べた。
 
李遠部長はまた、文化部と国家人権館が今年、景美および緑島(離島)に設けた白色テロ紀念園区内におある1万件以上の記念碑名録を更新したことに言及し、これからも人権教育と移行期正義の推進に引き続き取り組んでいくことを約束した。また、李遠部長自身も、その記念碑で自身の叔父の名前を見つけたことを明らかにした。
 
李遠部長によると、文化部は頼総統の呼びかけに応じ、白色テロ時代に人権侵害が行われた「不義遺跡」の調査研究を続けると同時に、市民による「移行期正義的意義を有する遺跡」の申請も受け付けてい。すでに義光教会(1980年に林義雄弁護士の母子が惨殺された場所)がその登録を完了し、これからドキュメンタリー動画を制作するなどして教育活動に活用する計画を進める。また、文化部は(権威主義体制の象徴ともいえる)中正紀念堂で「台湾国際人権映画祭」を開催したり、新たな常設展「自由花蕊」を開催するなどして、この場所を訪れる国内外の人々に台湾が持つ人権の価値観を伝える努力も続けている。
 

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