内政部の劉世芳部長は開幕式の挨拶で、人身取引防止対策は単に「摘発件数」で評価すべきではなく、被害者を早期に発見・特定し、法的支援、医療、保護・収容サービスを提供して、被害者が搾取された状況から抜け出せるよう支援することも、政府が責任を負って取り組むべき重要な任務だと述べた。(内政部)
このシンポジウムは、今年で18年連続での開催となり、台湾と国際社会が人身取引防止政策について交流する重要なプラットフォームとなっている。なお、米国務省が世界の国々の人身取引防止への取り組みをランク分けする「人身取引報告書」で、台湾は16年連続で4段階中の最高評価となる「ティア1(Tier 1)」に格付けされている。今年のシンポジウムでは、日本を含む11カ国の政府関係者、民間団体、学者・専門家を招き、強制労働、サプライチェーンにおける労働搾取、それに移民労働者、遠洋漁業労働者、家事労働者、留学生などを被害や人身取引のリスクがあるケースとして識別し、保護することなどに焦点を当て、各国の政策や実務経験を共有する。
内政部の劉世芳部長は開幕式の挨拶で、人身取引防止対策は単に「摘発件数」で評価すべきではなく、被害者を早期に発見・特定し、法的支援、医療、保護・収容サービスを提供して、被害者が搾取された状況から抜け出せるよう支援することも、政府が責任を負って取り組むべき重要な任務だと述べた。
劉世芳部長によると、台湾では2025年、158件の人身取引事件を送致し、官民協力によって25カ所のシェルターを設置し、外国人被害者103人を受け入れ、生活支援や法的支援などのサービスを提供した。また、勧誘を受けたり、騙されたりして海外へ渡り、現地で詐欺などの犯罪行為を強制されるなど、新たな形態の人身取引に対応するため、2024年に改正・施行された「人口販運防制法」(人身取引防止法)では、犯罪行為を強制されたケースを処罰対象に加え、被害者の認定や保護・収容の保障も強化した。台湾はまた、国際シンポジウムの開催、法執行者や司法分野の交流を通じて各国との連携を深め、国際社会における人身取引防止の取り組みを学ぶと同時に、積極的に参加し、貢献する存在となれるよう目指している。
初日は、国連特別報告者(現代的形態の奴隷制担当)を務め、現在はイギリスのヨーク大学で国際人権法を教える小保方智也教授が、「グローバル・サプライチェーンにおける強制労働に対抗する新たな取り組み」をテーマに基調講演を行った。小保方氏は、企業の刑事責任、人権デューデリジェンス(HRDD)、強制労働によって生産された製品の輸入規制、政府調達、移民労働者の保護などにつき、国際社会における政策の動向を紹介した。その上で、台湾は今後、監督体制やステークホルダーの参加、救済メカニズムの強化などを通して、サプライチェーンにおける労働搾取のリスクをさらに低減するよう提言した。
シンポジウムは26日まで行われている。