香港のコンサルタント会社、政治経済リスクコンサルタンシー(Political and Economic Risk Consultancy Ltd 、略称PERC)は29日、機関誌『Asia Intelligence』にて2017年のアジア太平洋地域16カ国・地域の汚職に関する調査結果を発表した。台湾の清廉度に関する評価は昨年より若干改善したが、順位は昨年同様6位だった。上位5位はシンガポール、オーストラリア、日本、香港、米国の順。
台湾の清廉度を示す指数は5.34ポイント(指数は0~10ポイントで、数字が大きいほど汚職や腐敗が進んでいることを示す)で、昨年より0.74ポイント改善された。アジア太平洋地域で調査対象となった16か国・地域のうち、台湾を含む10か国・地域の順位が昨年と同じだった。
今回調査対象となったのは、その国・地域でビジネス活動を展開する海外企業や、海外企業によって組織される商工会議所の関係者など。これらがビジネス活動を展開している国・地域の汚職・腐敗状況についてアンケート調査を行った。そのうち台湾に関しては、調査を受けた人の60%以上が、「この1年間で大きな変化はないと」回答。また、「汚職・腐敗状況はすでに改善している」と回答した人は30%、「汚職・腐敗状況はより悪化している」と回答した人は10%未満だった。
台湾と韓国はいずれも、人情や贈り物を重んじるという似通った文化を持つ。つまり、贈り物をする、便宜を図る、賄賂を贈るなどの不法行為によって、人脈を築き上げるという悪習がいまだに存在している。しかし、台湾の評価が韓国よりはるかに上回っているのには次の原因が考えられる。一つは、台湾社会の汚職に対する受容度が低いこと。政府の高官や財界の重鎮などが汚職によって罪を問われることになった際、市民はこうした罪を見逃そうとしない。もう一つは、台湾には韓国のような財閥が存在しないこと。ましてや司法機関が財閥の一族に対して便宜を図るということもあり得ない。
法務部廉政署では現在、「公務員廉政倫理規範」改正法案の提出準備を進めている。「国際連合腐敗防止条約」の精神に基づき、実務上、実行が難しいものや、時代に即していない条文について、先進諸国の立法例や各分野の専門家の意見を広く取り入れ、修正していきたいと考えている。