2018年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ナディア・ムラド(Nadia Murad)さんは6月28日、米ワシントンの米国平和研究所(USIP)で行った基調講演で、台湾の政府から寄付を受けたことに言及し、その支援に感謝した。
台湾の政府は中東のイラクやシリアにおける人道支援活動に協力するため、ナディアさんが立ち上げたNGO団体「ナディアのイニシアチブ(Nadia's Initiative)」に対して50万米ドルを寄付した。
ナディアさんは講演の終盤、台湾による支援に感謝すると述べた。また、こうしたパートナーからの支援がなければ、「ナディアのイニシアチブ」が計画する各プロジェクトは実行に移すことが出来ないだろうと述べた。ナディアさんによると、「ナディアのイニシアチブ」は現在、ほかの非政府組織と協力し、イラクのシンジャールに病院を建設している。この病院は、イスラム教徒やキリスト教徒を含むあらゆるエスニシティが使用できるもので、こうしたパイプを通して、これらのエスニシティが対話や交流を開始し、社会の結束力を作り上げることが出来ればと願っている。
米国務省Office of Global Criminal Justice ( GCJ) のトップであるKelley Currie女史は挨拶で、台湾からの支援はヤズィーディー教(イラク北部などに住むクルド人の一部に篤く信仰される少数派の宗教)の人々がこれまでの仕事を継続でき、且つジェノサイドや大規模な暴行が存在しない世界を作り出すために重大な貢献になると評価した。Kelley Currie女史はまた、「台湾からやってきたこの贈り物は、価値の共有、人権の保護、あらゆる人々の尊厳を尊重することの証明であり、これは米国と台湾にとって重要で、且つ長く続く友好関係のための礎石となるものだ」と述べた。
米国務省東アジア・太平洋局(EAP)もその後、ツイッターの公式アカウントで、台北駐米代表処(=米国における中華民国大使館に相当)が米国主導の対IS有志連合「The Global Coalition To Defeat ISIS」の一員として、「ナディアのイニシアチブ」に50万米ドルを寄付するとの約束を果たしたことに言及し、「この寄付は、過激派組織「イスラム国」(IS)によって破壊されたイラク・シンジャールの農業コミュニティの再建に充てる」とツイートした。
台北駐米代表処の高碩泰代表(=駐米大使に相当)は、「中華民国(台湾)による寄付は、金額としては多くないものの、これが呼び水となってほかの国が加わり、より多の人々が苦しみを受けているこれら少数民族に関心を寄せ、支援の手を差し伸べることを願っている。台湾の人口は多くないし、国土も広くないが、この方面の人道支援に、台湾が参加しないということは決してない」と述べた。