蘇貞昌行政院長(首相)は24日の閣議で、内政部(日本の省レベル)の「政府による『社会住宅』の直接建設政策推進の成果」報告を受けた。「社会住宅」とは分譲せず賃貸のみで提供され、適正家賃で良質な環境を備えた公営住宅のことで、蔡英文総統が「居住の正義」を実現する重要政策の一つである。社会的弱者や故郷を離れて就学したり、就業したりする若者に安定かつ快適で、経済的にも負担可能な住宅を提供するのが目的。報告を受けた蘇行政院長は、政策の第2段階では住宅の量的な増加のみならず、質的な向上も目指す考えを示した。
行政院(内閣)の「社会住宅興建計画」では、第1段階(2017~2020年)に政府は新たに「社会住宅」を4万戸整備することにしていたが、蘇行政院長はこの日、中央政府と地方自治体が協力したことで、10月末には目標の4万戸を前倒しで達成すると明らかにした。中央政府が4,000戸あまり、地方自治体が約3万8,000戸を整備した。年末には合わせて4万2,000戸あまりに達する見通しで、達成率は106%となる。
第2段階(2021~2024年)に政府が整備する「社会住宅」は8万戸。建設用地はすでに全国209カ所、170ヘクタールが選ばれている。そのうち中央政府が直接発注するのは6万6,000戸。第2段階で建設する住宅はいずれも最低2つの「建築認証」を得られるようにするほか、グリーンエネルギーやスマートライフ、循環型経済などの理念を取り入れて暮らしの品質向上を図る。
蘇行政院長によると、「社会住宅」の目的は「居住の正義」実現や弱者支援にとどまらず、公共サービスや社会福祉機能とも結び付けて、より多くの人々が恩恵を得られるようにしなければならない。このため、内政部や衛生福利部(日本の厚労省に類似)、経済部(日本の経産省に相当)など関係省庁にはすでに、設計段階から、公共化された託児/保育環境や長期介護、就業、起業などのための福祉関係機構・団体との結び付きを意識するよう指示している。蘇行政院長は、関連の各政策がいずれも成功するよう互いに支え合っていかねばならず、そうしてこそ住宅全体の機能を高められ、社会福祉ネットワークの構築も促進できると訴えた。
蘇行政院長は、数字上の成果だけでなく管理面での品質問題にも触れ、住宅は品質のほか、管理や運営の設計も行き届いていなければならないと指摘。その上で第2段階に向けて、関係省庁が協力し、警察や消防、軍、文化、芸術、産業、創生などを含めた事業計画を速やかに提出するよう要求した。蘇行政院長はそして、デイサービスや託児、青年起業プログラムなどのため各省庁が合同で設ける施設の計画についても行政院に提出し、2024年に政府(中央政府と地方自治体)による「社会住宅」を累計12万戸とする目標を予定通り実現するよう呼びかけた。
「社会住宅」政策の推進は、政府が建設するものと、民間の私有建築物の賃貸・管理などを政府が代行する方法の二つを組み合わせて進められており、2024年には全体で20万戸まで増やす計画。