ロシア・ウクライナ戦争はウクライナの社会に甚大な被害をもたらしている。中華民国(台湾)は人道主義の精神に基づき、12月1日にチェコと、「ウクライナにおける一次医療再建のための支援能力拡大に関するパートナーシップ協力覚書(Memorandum of Understanding on Partnership Regarding Increasing the Capacities to Assist Ukraine in the Reconstruction of Primary Health Care)」を交わした。両国は協力してウクライナにおける一次医療システムの再建を支援する。覚書にはチェコで柯良叡駐チェコ代表(大使)が、そして台湾でチェコのDavid Steinke駐台代表がそれぞれリモート形式でサイン。台湾の会場では外交部(日本の外務省に相当)の田中光政務次長(=副大臣)とチェコ外務省経済外交課(Economic Diplomacy Department)のMarek Svoboda課長が署名に立ち会った。また、チェコでウクライナの復興業務を担当するTomáš Kopečný特使もリモート形式で署名に立ち会った。
田政務次長はあいさつの中で、台湾とチェコが共同でウクライナを支援する計画は民主主義国が一緒になって権威主義国家の脅迫に対抗する絶好の見本だと指摘、「民主主義陣営が揺らぐことなくウクライナを支持する決意を改めて示し、ウクライナへの人道支援を継続することを表明するものだ。また同時に、台湾とチェコの医療器材産業のビジネスとしての提携を促進する模範的効果にもつながる」と歓迎した。
Kopečný特使とSvoboda課長はいずれも、「チェコと台湾は同じ自由民主の国であり、手を取り合って全体主義国家に対抗していくと誓っている。双方の数カ月間にわたる意思疎通と努力によって今回の覚書が実現した」と強調。また、この協力事業を通してチェコとウクライナは台湾の経済貿易及び科学技術の実力をいっそう知ることになったと説明した。チェコのSteinke駐台代表は、台湾の各界がウクライナに関心を寄せていることに感謝、今後より多くの分野で台湾といっそう密接な協力関係を築けるよう期待した。
署名の式典に招待された台湾在住のウクライナ人代表、Yurii Poitaさんは、台湾とチェコが協力してウクライナを支援することに感謝すると共に、台湾が遠く離れたウクライナに人道支援を行っていることはウクライナの人々に、「台湾は小さいがその力はとても大きい」と感じさせていると語った。そして、台湾とウクライナはスマート技術、エネルギー、半導体などの面で様々な協力が出来るとし、将来より多くの交流が実現することを希望した。
今回の協力事業は主に被害が最も甚大なウクライナ東部が対象。台湾とチェコが支援項目を検討し、一般診療、外科、婦人科、リハビリ室などの施設と初期医療ケアを提供することになっている。そのうち医療器材のソリューションは台湾の産業へのビジネスチャンスにもつながるほか、台湾の医療水準及び医療資源に対するウクライナと各国の理解を深めるものとみられている。