2025/09/08

Taiwan Today

外交

呉外交部長が米紙に総統選後の退任を明言、「国際社会は台湾に未曽有の関心」

2023/12/15
呉釗燮外交部長(写真)が12日、米「ウォールストリートジャーナル」の取材に応じた。同紙は13日に取材内容を掲載、呉外交部長が来年5月に憲法に従い退任すると明言したことを伝えた。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が12日、米「ウォールストリートジャーナル」アジア版のAndrew Dowell編集長らの取材に応じた。同紙は13日、「世界で最も困難な外交業務の一つがまもなく空席に」と題して取材内容を掲載、呉外交部長が来年5月20日(次期総統の就任日)に憲法に従い退任すると明言したことを伝えた。
 
呉外交部長はこの中で、「過去6年近く、世界で最も困難かもしれない外務大臣職を担ってきたが、来年1月の次期総統選挙の結果いかんにかかわらず、それから数カ月後には外交部長を辞することを決めている。だがそれまでは1日1日、全力で取り組む」と述べた。
 
「ウォールストリートジャーナル」は呉外交部長について、「台湾が民主化を遂げて以降で在任期間最長の外交部長であり、その退任により、台湾は米中関係が不確定な中で経験豊富な上級外交官を1人失うことになる」と報じた。
 
呉外交部長は在任中最も誇らしく感じたことは何かとの質問に対し、「国際社会がかつてないほど台湾に関心を示していることだ」と回答、「現在、各国の指導者はみな台湾海峡の平和と安定の重要性を認め、世界の安全と繁栄に不可欠な要素だと考えているほか、台湾海峡の一方的な現状変更にも反対している。国際社会がこれほど台湾を守ろうとするのは前例が無いことだ」と説明した。そして、自身はこれまで海外メディアの取材に306回応じ、積極的に台湾のため発言して来たが、これからも力を尽くして世界に台湾の声を届けていきたいと話した。
 
台湾海峡及び地域情勢について呉外交部長は、台湾はこれからも周辺の安全保障情勢に気を配りながら戦争を全力で回避すると強調。「蔡英文総統は就任以来、中国との平和的な対話に向けて絶えず善意を示してきたが、中国の武力による威嚇が続く中、台湾は国防を強化すると同時に各国の支持を取り付けることで中国の向こう見ずな行動を抑止する必要がある」と説明。さらに、中国の野心が台湾にとどまらず、東シナ海、南シナ海へと広がる中、各国の指導者は台湾海峡の平和と安定の重要性に言及しているのみならず、米国及びその同盟国では地域の平和を守る具体的な動きも見せていると指摘、その例として米キャンプデービッドで開かれた米日韓首脳会談後に形成された新たな安保協力の形や、米、カナダ、日本、オーストラリアがフィリピンと連携していることを挙げ、これらの動きは中国に対して大きな威嚇効果を発揮しているとの見方を示した。
 
中国が台湾を封鎖する可能性について呉外交部長は、台湾はエネルギーや食料、弾薬の備蓄及びインフラの強靭性などの面で積極的に備えを進めているとする一方、封鎖は国際法における戦争行為に当たるため、中国は深刻な代価を払うことになると警告した。このほか呉外交部長は、台湾海峡の空と海の交通に対する妨害や国際的な半導体のサプライチェーンへの障害は台湾のみならず全世界に影響をもたらすことから、「国際社会が黙っていないだろう」と述べた。
 
 

ランキング

新着