2025/09/08

Taiwan Today

外交

呉釗燮外交部長、インドのTV番組のインタビューで台印関係語る

2024/03/01
外交部の呉釗燮部長(=外相)は2月29日、インドのテレビ番組「News X」のオンラインインタビューを受けた。その内容は同日夜、現地のゴールデンタイムに放送された。(外交部)
外交部の呉釗燮部長(=外相)は2月29日、インドのテレビ番組「News X」のオンラインインタビューを受け、インド太平洋情勢や台湾とインドの関係などについて語り、台湾とインドの連携強化について強調した。インタビューの内容は同日夜、現地のゴールデンタイムに放送され、各方面から大きな反響があった。以下は呉釗燮部長の発言の概要。
 
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【台湾とインドの関係】
(インタビュアーが今年1月に台湾で正副総統選挙が円滑に行われたことに祝意を示したことを受けて)台湾の人々は、台湾の民主主義に対して高い誇りを持っている。台湾とインドはこのほど、台湾でのインド人労働者の受け入れに関する協力了解覚書(MOU)を締結した。インドは世界最大の民主国家であり、その国民は勤勉で、労働力のクオリティも一律高い水準にある。一方、同じ民主国家の台湾は、経済活動が活発ながら、労働力不足という問題に直面している。このため、インドとの労務に関する協力了解覚書(MOU)の締結は、双方に労務方面で協力の機会を提供することになるだろう。双方が各方面で関係を発展できるよう力を尽くしたい。
 
【ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ紛争の影響】
(ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ紛争が台湾海峡やインド太平洋地域の平和と安定に与える影響について問われ)現在世界では民主主義対権威主義体制の対立が顕著になっている。中国は軍事的圧力、経済制裁、ハイブリッド戦略、グレーゾーン戦略といった方法で台湾に脅威を与えている。また、東シナ海や南シナ海においては日本やフィリピンに脅威を与えている。さらに中国は、第一列島線を突破して、その勢力を太平洋地域にまで拡張させようと企んでいる。その事例の一つがソロモン諸島との安全保障協定の締結だ。中国はまた、インド洋沿岸でも「真珠の首飾り戦略」と呼ばれる海外戦略を展開しており、独裁国家同士が手を結ぶ傾向が見られる。だから民主主義国家には退路がなく、連携を強化し続けるしかないのだ。権威主義国家が連携してその影響力を拡張するのを、ともに食い止めなければならない。
 
【台湾海峡の現状維持を各国が支持】
国際社会は以前にも増して台湾海峡における衝突が世界に与える影響の大きさ、とりわけ経済に与える衝撃に意識を向けるようになってきた。このためG7サミットや日米韓や欧州連合(EU)は重要な会合のたびに、台湾海峡の現状維持を支持すると繰り返し発言し、台湾海峡の平和と安定が世界の安全保障と繁栄に不可欠であることを強調するようになっている。国際社会が台湾情勢に関心を向けていることに感謝する。同時に、インド政府が繰り返し台湾海峡の平和と安定の重要性に言及していることにも感謝したい。インドは「日米豪印戦略対話(クアッド)」の重要なメンバーであり、日米とも連携を強化している。インドは、権威主義の拡張に対抗するという重要な機能を発揮することができるだろう。
 
【これからの台湾とインド】
台湾は今後もインドと経済、文化、教育、農業などの方面で協力や交流を深められるよう期待している。インドは大きな市場を持ち、経済的な潜在力も高い。中国市場が低迷する中、投資先を中国から他の国へシフトさせる台湾企業が相次いでいる。インドは台湾企業にとって極めて良好な市場だ。しかも、インドは現在、積極的に半導体産業の発展に取り組んでおり、台湾は世界の半導体産業を支える最大の動力を有する。ゆえに双方の連携には極めて大きな可能性がある。現在、台湾で働くインド出身の高度ハイテク人材は約2,700人、台湾で博士後研究員として研究に従事するインド人は500人ほどだ。これらはいずれも、インドの半導体産業発展に寄与する重要な人材となるはずである。台湾の政府は、インド進出を希望する台湾企業をさまざまな方法で支援している。台湾とインドが自由貿易協定を締結することができれば、双方の経済・貿易関係はさらに深化することだろう。
 

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