頼清徳総統は29日、国家安全会議の呉釗燮秘書長、外交部の林佳龍部長(外相)らとともに、米国連邦議会上院超党派議員団のタミー・ダックワース(Tammy Duckworth)議員、ダン・サリバン(Dan Sullivan)議員、クリス・クーンズ(Chris Coons)議員、ラフォンザ・バトラー(Laphonza Butler)議員などの表敬訪問を受けた。5月20日の総統・副総統就任式典以来、下院からはすでに外交委員会のマイケル・マッコール(Michael McCaul)委員長をはじめとする超党派議員団が台湾を訪問しているが、上院の超党派議員団の台湾訪問はこれが初めて。
頼総統は、ダックワース議員ら一行の訪台を歓迎するとともに、コロナ禍の2021年、ダックワース議員、ダン・サリバン議員、クリス・クーンズ議員が軍用機で台湾を訪れ、米国が新型コロナウイルスワクチンを無償提供すると発表したことを振り返った。また、米上院議員の身分では初の台湾訪問となるラフォンザ・バトラー議員の訪台を歓迎し、これらの議員が実際の行動をもって台湾への支持を表明してくれたことを心から歓迎し、謝意を伝えた。
頼総統は、台湾と米国は感染症の問題に直面した際、互いに助け合ったこと、覇権主義の拡張に対しては、ともに手を取り合って協力していることを指摘。台米間の各領域での交流は近年より深まり、裾野が広がっており、台米がともに偽情報の対応についても協力し、民主主義を守るために努力していることなどを挙げた。
頼総統はまた、自身の就任演説の内容に言及し、台湾は世界の平和のためのかじ取り、世界の繁栄のための立役者となり、これからも民主主義を守るために努力し、民主的な台湾の明かりによって世界を照らし続けたいと述べた。また、新政権がこれからも米国政府や国会の支持を得て、台湾と米国がより緊密な交流と協力を展開し、地域の繁栄と発展のためにともに貢献できるよう期待していると伝えた。
これに対してダックワース議員からは、「もともと頼総統の就任後、米国からの最初の議員訪問団になると考えていたが、下院の代表団に先を越されてしまった」と述べた上で、米国は世界をリードする国の一つとして、台湾を含め、米国の友人を支持する責任があり、米国と台湾の友好は民主主義の価値の共有に基づくものだが、それはその他の非常に多くの分野にも広がっていると説明した。
ダックワース議員はまた、米国としては台湾とともに平和と安定を維持するために協力したいと考えており、また台湾と米国のパートナーシップをさらに深化させられるよう期待していると述べた。ダックワース議員は、共和党所属のダン・サリバン議員が近く台湾と関係のある法案を提出すること、自分が民主党所属の上院議員として最初にこの法案の署名に参加したことなどを明かし、ワシントンに戻ったらすぐにこの法案が提出されるよう期待していると述べた。