2025/09/08

Taiwan Today

外交

外交部の陳明祺政務次長、豪州に対して台湾のCPTPP加盟への支持呼びかけ

2025/09/03
外交部の陳明祺政務次長(=副大臣)はこのほど、複数の豪州メディアの取材を受けた。今年は豪州がCPTPP議長国であることを念頭に、陳明祺政務次長は台湾のCPTPP加盟について、豪州の理解と支持を求めた。(外交部)
外交部の陳明祺政務次長(=副大臣)はこのほど、相次いで豪州メディアの取材を受けた。取材したのは豪メルボルンのラトローブ・アジアのポッドキャスト「Asia Rising」、テレビチャネル『Sky News』、経済紙『オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)』で、8月28日と29日に相次いで公開された。台湾はCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)加盟を強く望んでいるが、今年は豪州がCPTPP議長国であることを念頭に、陳明祺政務次長は台湾のCPTPP加盟について豪州の理解と支持を求めた。
 
ラトローブ・アジアのポッドキャスト「Asia Rising」
陳明祺政務次長は、台湾の経済・貿易体制はCPTPPが求める高い基準(ハイスタンダード)に合致しているほか、台湾はすでにニュージーランドやシンガポールと自由貿易協定を締結していること、台湾はこれまでも貿易・投資などに関する約束・行動を誠実に遵守してきた実績があり、貿易相手国を脅迫するようなことはなかったとして、CPTPP加盟原則である「オークランド三原則」のうちすでに2つの条件を満たしていると主張。残る一つの課題はつまり、CPTPP加盟国全体のコンセンサスのみだと述べた。
 
陳次長はその上で、中国はCPTPPの加盟国ではないにもかかわらず、一部の加盟国に対して台湾の加盟を妨げるよう圧力をかけているとし、オーストラリアをはじめ、近い理念を持つ国々に対して、中国の悪意ある影響力に対抗して欲しいと協力を呼びかけた。
 
テレビチャネル『Sky News』
陳次長は、中国の経済成長は減速し、生産過剰の状態にあり、今後の市場開放は難しくなるだろうと予測。中国が「自由貿易を守る」と主張したとしても、それは空虚な言葉に終わる恐れがあるが、一方で台湾とオーストラリアは「ルールに基づく自由貿易体制」を堅実に守っていると説明。CPTPPは自由貿易を守る新たな重心であり、台湾がこれに加盟することによって、CPTPPはさらに強化されるだろうと訴えた。
 
陳次長はさらに、オーストラリアには貿易相手を慎重に選ぶべきと呼びかけた。陳次長は、中国は貿易相手国の経済的依存を外交的・政治的な圧力を加えるための手段に変える能力に長けており、台湾は2016年以降、貿易の多角化を進め、中国市場への依存を下げることでリスク分散を図ってきたと指摘。「オーストラリアも過去、中国の経済的圧力や報復措置を受けたことがある。今こそリスク分散を真剣に検討すべきだ」と述べた。
 
経済紙『オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)』
陳次長は、「台湾を中国の一部として扱うべきではなく、台湾には独自の価値がある」と強調。オーストラリアの対台湾政策は二国間貿易を基盤として策定することが可能であり、台湾は半導体分野でリーダー的地位を持つほか、再生可能エネルギーやAI(人工知能)などの分野でも協力できる可能性があると述べた。
 
中国の脅威に関して陳次長は、台湾は中国の軍事的脅威を非常に真剣に受け止めており、国防改革や防衛費の増額を推進していると説明。オーストラリアに対しては、台湾海峡の平和と安定への懸念を中国に対して引き続き伝え、軍艦を台湾海峡に派遣することで、国際社会に対して「台湾海峡は国際水域である」というメッセージを示し続けて欲しいと呼びかけた。また、これは中国の台湾侵攻を抑止するための力になると説明した。
 
 

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