2025/09/08

Taiwan Today

外交

今年の「国際青年大使」40名、台湾と太平洋地域とのつながり深める

2025/09/04
外交部が任命した今年の「国際青年大使」40名が、太平洋に位置する中華民国台湾の国交樹立国、マーシャル諸島の訪問を終えて帰国した。写真はマーシャル諸島で開催した「台湾文化の夕べ」。(外交部)
外交部が任命した今年の「国際青年大使」40名が、太平洋に位置する中華民国台湾の国交樹立国、マーシャル諸島の訪問を終えて帰国した。一行は8月20日に台湾を出発。往路に米ハワイ、帰路にグアムに立ち寄り、8月31日に無事帰国した。現地ではマーシャル諸島共和国のカラニ・カネコ外務・貿易大臣、ハワイのシルビア・ルーク副知事、グアムのルー・レオン・ゲレロ準州知事、ジェームズ・モイラン下院代議員、フランク・ブラス・ジュニア議長などの政府高官と会ったり、シンクタンクの学者や若者らと交流する機会を得た。また、台湾の文化を紹介する大型のイベントを開催し、訪問した先々で大いに歓迎された。
 
外交部が実施する「国際青年大使交流計画」は、若者が外交の実務に触れる重要な取り組みであり、2009年の開始以来、これまで1,800名以上の参加者を輩出している。今年も外交部は、英語でのプレゼンテーション能力と芸術やパフォーマンス分野の特技を持つ大学生40名を選抜し、「国際青年大使」に任命した。彼らはそれぞれの専門分野を活かして訪問先の人々と友好関係を深めた。同時にこれは、台湾の若者が太平洋地域の地政学やオーストロネシア語族の文化への理解を深める助けとなった。一行の滞在先での交流の内容は以下のとおり。
  台湾の「国際青年大使」らが最初に訪れたのは米ハワイだ。シルビア・ルーク副知事が「アロハ・スピリット」(アロハの精神)をもって台湾からやってきた若者たちを鼓舞し、また台湾の農業および科学技術分野での取り組みの成果を高く評価した。台湾の若者たちは続いて地元の有名な独立研究機関「イースト・ウエスト・センター(East-West Center)」の研究者らと座談会を行い、エネルギー、サステナビリティ、地域内協力などのテーマについて意見を交わした。一行はまた、地元の人々で賑わう大型ショッピングセンター「アラモアナセンター」(ホノルル市)で行われた「台湾文化の夕べ」に参加。台湾先住民の舞踊、官将首(廟宇の伝統行事を盛り上げる「陣頭」の一種。神様が街を練り歩く際、悪霊を追い払いつつ道を開き、神様を守る役割を担う武将のこと)、伝統楽器を使った「国楽」、それにモダンダンスなど優れたパフォーマンスを次々と披露し、台湾が持つ多様な文化の魅力を伝え、観客から盛大な拍手喝采を受けた。
  台湾の「国際青年大使」の一行は8月24日、中華民国台湾と外交関係を持つマーシャル諸島共和国に到着した。現地ではカラニ・カネコ外務・貿易大臣やび教育大臣のジェラルド・ザキオス教育・スポーツ・職業訓練大臣による歓迎を受けた。カネコ外務大臣は、台湾とマーシャル諸島の友好関係が堅実であることを強調するとともに、台湾の「国際青年大使」の訪問が二国間の交流促進に大きく貢献するだろうと期待を寄せた。またブレンソン・ワセ国会議長も複数の議員らとともに台湾の「国際青年大使」と面会した。
 
「国際青年大使」たちはマーシャル諸島滞在中、複数の高校を訪問した。そのうち、マーシャル諸島高校(Marshall Islands High School)では、台湾の技術支援チームが現地で実施している「学校給食プロジェクト」の現場を視察した。また、ローラ高校(Laura High School)では、同校の生徒たちのために台湾華語の授業を行ったり、ダンスパフォーマンスを披露するなどして高校生たちと交流を深めた。さらに、マーシャル諸島大学(College of the Marshall Islands)では、同大学に通う学生らとともに「気候変動フォーラム」を開催。マーシャル諸島のブレミティ・ラクジョン環境大臣も登壇して挨拶を行った。フォーラムでは両国の若者たちが気候変動、サステナビリティ、教育協力などのテーマについて活発に議論を交わした。また、マーシャル諸島のコンベンションセンターでも「台湾文化の夕べ」を開催。マーシャル諸島のカラニ・カネコ外務・貿易大臣を筆頭とする政府要人、日本大使、マーシャル諸島大学の学長など多くの関係者が来場した。そのパフォーマンスは、台湾とオーストロネシア語族の文化の深いつながりを示すもので、会場から大きな拍手・喝采を浴びた。
  帰路でグアムに立ち寄った一行は、ルー・レオン・ゲレロ準州知事による歓迎を受けた。準州知事は、「台湾とグアムは共通の価値観と、豊かなオーストロネシア語族の文化を共有しているし、地理的にも近い。今回の訪問を通じて、台湾の若者たちにはグアムの歴史をより深く理解し、今後の相互交流と連携強化につなげてほしい」と述べた。また、フランク・ブラス・ジュニア議長やジェームズ・モイラン下院代議員が、グアム大学で開催された「インド太平洋戦略青年フォーラム」に全行程出席し、台湾海峡情勢を含む地域の安全保障について、台湾の「国際青年大使」らと意見を交わした。グアムでも8月30日に「台湾文化の夕べ」が盛大に行われ、グアムの政界関係者やグアム在住の台湾出身者など約200人が来場した。
 

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