2025/10/27

Taiwan Today

外交

日本の対台湾窓口機関「日本台湾交流協会」の隅修三会長、会長就任後初めて台湾を訪問

2025/09/17
頼清徳総統は16日、日本の対台湾窓口機関である公益財団法人日本台湾交流協会(東京都港区六本木)の隅修三(すみ しゅうぞう)会長(左)とその一行の表敬訪問を受けた。隅会長は今年6月、同協会の会長に就任。会長としての台湾訪問はこれが初めて。(総統府)
頼清徳総統は16日、日本の対台湾窓口機関である公益財団法人日本台湾交流協会(東京都港区六本木)の隅修三(すみ しゅうぞう)会長とその一行の表敬訪問を受けた。隅会長は今年6月、同協会の会長に就任。会長としての台湾訪問はこれが初めて。
 
頼総統は、隅会長が老子の『道徳経』に出てくる「上善若水」(上善は水の如し)という言葉を座右の銘としていることに言及。この精神をもって日本台湾交流協会を導き、台湾と日本の友情を各分野で深めていくことを期待していると伝えた。また、「もし世界各国の指導者が、この『上善若水』の精神をもって周辺諸国との関係構築に当たれば、世界平和は自然に成し遂げられると信じている」と述べた。
 
頼総統はまた、台湾と日本の人々は互いに善意を持ち、家族のように支え合い、相手を思いやってきたと説明。また、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会と台湾の対日本窓口機関である台湾日本関係協会は長年、台湾と日本の交流において重要な役割を果たしており、これからも様々な困難や制約を乗り越えながら、台湾と日本の友情を世界における「二国間関係の模範」とできるよう望んでいると述べた。
 
頼総統は、隅会長が日本の財界で長年にわたり活躍し、数々の重要な職務を歴任していることから「豊富な経験と先見の明を持っている」と称え、隅会長の卓越したリーダーシップの下、台湾と日本の関係がさらに良い方向に向かって発展することを確信していると述べた。また、経済安全保障、科学技術のイノベーション、文化・観光、若者交流など、さまざまな分野で交流と協力を一層深めたり、あるいは「経済連携協定(EPA)」締結の早期実現に向けた動きを加速させるなどして、隅会長とともにインド太平洋地域の平和と繁栄に貢献していきたいと期待を寄せた。
 
頼総統は最後に、日本政府が繰り返し、台湾海峡の平和と安定が国際社会にとって重要であることに言及し、現状変更を目的とした一方的な武力行使に反対する立場を示し、さらには台湾が国際民間航空機関(ICAO)や世界保健機関(WHO)などの国際組織に有意義な参加を果たせるよう長年支持していることについて感謝した。そして、「こうした姿勢と行動は、地域の平和にかける日本の揺るぎない決意を示すものであり、台湾にとって大きな励みになっている」とした上で、台湾と日本の友好がより強固で、より密接、そしてさらに高みを目指して発展することを願うと述べた。
 
これに対して隅修三会長は、今年6月に日本台湾交流協会の会長に正式に就任したが、それ以前から台湾とはビジネス上の多くの交流があり、今後もさまざまな分野で台湾と日本の発展を促していきたいと抱負を語った。
 
隅会長はまた、台湾と日本はずれも、例えば武力や威嚇によって一方的に現状変更を試みようとする国の存在や、国際貿易の発展に対する大きな衝撃など、非常に不安定な国際環境に直面していると指摘。これまでも自由、民主主義、法の支配などの基本的価値観が影響を受けてきたが、国際関係は白か黒かで語れるものではなく、多様かつ包容力のある国際社会を構築していくことが求められていると述べた。また、日本と台湾は同じような価値観を基盤とし、これまで手を携えて発展しており、両国とも調和の精神を重視しており、この信念が世界の他の地域にも広がることを望んでいると述べた。
 
隅会長は、台湾と日本が共通して直面している多くの困難と課題についても言及した。例えば少子高齢化、労働力不足、年金問題、社会の発展、医療制度の完備といった問題のほか、台湾と日本はいずれも台風や地震といった自然災害にも頻繁に見舞われることから、適切な防災システムの構築、地球温暖化やエネルギー供給といった問題への対応などが必要だとして、今後これらの課題でも協力を強化し、知恵を出し合い、共に解決策を模索していけるよう期待していると述べた。
 
隅会長は最後に、日本台湾交流協会が発表した最新の「台湾における対日世論調査」で台湾人の76%が「最も好きな国」として日本を挙げたことや、日本を訪れる台湾人観光客が年間600万人を超えていることなどを踏まえて、台湾と日本の友情が根強く、基盤が盤石なことが伺えるとして、会長としての任期中に台湾と日本の関係をさらに向上させるべく全力で取り組んでいくことを約束した。
 

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