外交部の呉志中政務次長(外務副大臣)兼外交・国際事務学院長は17日、米ハワイのシンクタンク「イーストウエスト・センター」(East-West Center, EWC)とさらに5年間協力することで新たな覚書(MOU)に署名した。双方は合同事業として「太平洋島国青年リーダー育成計画」(Pacific Islands Leadership Program with Taiwan、略称PILP)を2013年からほぼ毎年開催しており、このほど第10回の締めくくりとして行われた修了式に合わせて双方がMOUに署名し、次世代のリーダー育成と地域交流のため今後も協力していくとの方向性が示された。
呉院長はあいさつで、PILPをさらに推進していくことは、台湾と米国が太平洋地域に長期的にコミットしていく姿勢を示すものであり、民主主義の仲間として同地域に対する挑戦に立ち向かうことを象徴するものであると強調した。デジタル情報セキュリティ、気候変動、医療健康、女性のエンパワメント、持続可能な漁業など、どのような分野であれともに米国や太平洋の島国とともに取り組み、レジリエンスを備えた地域の発展を目指したいと語った。
EWCのセレステ・コナーズ所長は、PILPは多国間協力の規範であり、青年リーダーの育成を通じて、地域が共に戦略的レジリエンス、経済セキュリティ、教育や健康の分野における問題に立ち向かえるようにする取り組みであると指摘。また今回の参加者に向けて、勇気とエンパシー、長期的視野をもって各分野において力を発揮してほしいと激励した。さらに台湾による太平洋の島国に対するコミットメントを高く評価するとともに、新たなMOUの締結は、共に地域の平和と繁栄により多くのパワーを注入していくことを双方が約束するものだと述べた。
外交部によると、PILPは2013年の開始からこれまで200人を超える太平洋地域の青年リーダーを育成し、地域で最も影響力のある育成計画の一つとなっている。10回目の今年は太平洋の10カ国の代表及び台湾の先住民3人の計23人が参加、6週間にわたって共に過ごし友情が育まれ、将来にわたり共に支え合う原動力となることが期待されている。