蕭美琴副総統は22日午後、カナダの国家安全保障事務訪問団の表敬訪問を受けた。蕭副総統は、カナダが長年にわたり台湾海峡の平和と安定を支持していることに謝意を表するとともに、国際原則を維持する立場を示した。また、両国は安全保障・防衛や科学技術の分野において多くの潜在的な協力チャンスを有しているとし、今後も引き続きパートナーシップを深化させ、地域の平和と安定を共に維持していくことを期待すると述べた。
蕭副総統は挨拶で、近年、台湾とカナダの関係は一層緊密になっていると指摘。両国は貿易、経済、科学技術、さらにはグレーゾーン事態への対応といった課題で協力しているだけでなく、文化や先住民族といったソフトなトピックでも交流を行っており、カナダとのパートナーシップを引き続き深化・拡大できることを喜ばしく思うと語った。
さらに、蕭副総統は安全保障と防衛は近年両国が共に注目する新たな課題であり、台湾においては台湾海峡の平和と安定が世界的な利益にとって極めて重要であると確信していると表明した。その上で、カナダがG7などの場で台湾海峡の平和と安定が世界的繁栄に不可欠であると繰り返し強調し、また地域の航行の自由を支持してきたことにも謝意を示し、これは国際原則を堅持する姿勢を示すものであり、地域の安定促進に貢献していると語った。
副総統はまた、台湾とカナダが違法船舶探知システム(Dark Vessel Detection System)で協力することを盛り込んだ覚書(MOU)を締結し、関連技術やノウハウを共有して台湾の海域監視能力の向上を支援していることに謝意を表した。併せて、先ごろ閉幕した2025年台北国際航空宇宙・国防技術展にはカナダ企業も参加し、対ドローン防衛を含む多様な軍民両用技術を展示したことに加え、科学技術分野での両国の協力は、今後の各産業での協力の可能性を示すものだと強調した。
副総統はまた、台湾の防衛環境はカナダとは異なるが、地域の平和と安定を維持する上で、無人システムや宇宙技術といった新たな防衛技術分野において両国が共通の戦略的利益を有していると述べた。最後に、訪問団が台湾を訪れ安全保障情勢を深く理解し、貴重な提言を提供したとして改めて感謝を表明した。
訪問団には、カナダ国防省前参謀総長のトム・ローソン氏やウェイン・エア氏のほか、カナダ駐台北貿易弁事処マリー=ルイーズ・ハナン代表、外交の陳明祺政務次長(副大臣)が同行した。