2025/10/19

Taiwan Today

外交

外交部の呉志中政務次長、仏メディアに「台湾は民主主義の強靭性と半導体の実力で地域の平和維持する」と強調

2025/10/13
フランスの写真週刊誌『パリ・マッチ』はこのほど、外交部の呉志中政務次長のインタビュー記事を掲載した。
外交部の呉志中政務次長(=副大臣)はこのほどフランスの主要メディアの一つ、写真週刊誌『パリ・マッチ』(Paris Match)のインタビューを受けた。同誌は「我々の半導体産業は、中国の侵攻を防ぐための防壁だ」のタイトルで記事を掲載した。呉政務次長はこの中で、台湾が直面する中国の脅威という現実的課題について説明したほか、台湾が民主主義の強靭性と科学技術の実力をもって、地域の平和と安定を守るために尽力していることを強調した。呉次長はまた、半導体産業がすでに、世界の安全保障と経済の生命線にとって重要な柱になっていることを指摘した。呉次長の発言の概要は以下のとおり。
 
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中国の軍用機や艦艇が頻繁に台湾周辺の海空域に侵入している。これは北京が軍事的手段をもって地域の現状を変更としようとしていることの表れだ。台湾が真に懸念しているのは中国による全面的な侵攻だ。我々は一貫して現状維持を主張し、併合を拒んでいる。中国のいう「平和統一」という言葉は、実際には政治的圧迫を美化したものであり、台湾に対して「一つの中国」の原則の受け入れを迫ることが目的だ。もしこれに従わない場合は、すなわち武力によって威嚇するだろう。
 
国際社会では「2027年侵攻説」が取り沙汰されている。2027年が中国人民解放軍創設100周年にあたり、習近平氏にとって政治的節目となる可能性があるからだ。これに対して台湾は「ノット・トゥデイ・ポリシー」(Not Today Policy)を掲げている。つまり、防衛力の強化と国際連携を並行して進めることで、中国にとって攻撃を発動する日は「今日ではない」と思わせるのだ。台湾の防衛戦略は三つの柱に基づいている。つまり(1)防衛費と抑止力の継続的強化、(2)米国、日本、フランス、英国、ドイツなどの民主主義国との連携強化によるインド太平洋地域の平和維持、(3)世界のサプライチェーンにおける台湾のプレゼンスを固め、科学技術や経済・貿易方面で諸外国とのパートナーシップを推進すること―この3つだ。
 
科学技術と経済分野について言えば、台湾の半導体産業は世界の安定を支える戦略的基盤となっている。世界の半導体の約70%、最先端チップの約95%、そしてAI運算用チップのほとんどが台湾で生産されている。もし世界が台湾を失えば、世界の供給網における最も重要な一部を失うことになる。もし中国が台湾の技術力を手に入れることがあれば、民主主義諸国にとって重大な脅威となる。台湾は防衛費を継続的に引き上げており、現在は対GDP比2.5%だが、2025年にはこれを3.3%に、中長期的には5%に引き上げることを目指す。自主防衛の強化に向けた決意と行動を示して行きたい。
 
フランスはEU(欧州連合)の中でも強い影響力を持つ加盟国の一つであり、核戦力を持つ唯一の加盟国でもある。フランスと台湾は半導体、エネルギーの構造転換、文化・クリエイティブ産業など多方面で協力のポテンシャルを秘めている。台湾はこれからも企業による投資と文化交流を推進することで、フランスとの友好関係や民主主義国としての絆を深めていきたい。
 
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『パリ・マッチ』は1949年創刊。フランス語圏で最も影響力のある週刊誌の一つである。深みのある報道、人物インタビュー、写真記事に定評があり、長年にわたり国際問題に関心を寄せ、報道を行っている。
 

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