台湾有事を巡る日本の高市早苗首相の国会答弁に反発する中国は、傅聡国連大使を通してアントニオ・グテーレス国連事務総長に書簡を送って抗議した。中国はこの書簡を通して、日本が台湾情勢に武力介入すれば「侵略行為」に当たるとし、中国が国連憲章に基づいて「自衛権を行使する」ことを強調した。中華民国(台湾)外交部はこれについて、「書簡の内容は横暴かつ理不尽。歴史的事実を悪意をもって捻じ曲げているだけでなく、国際関係において武力による威嚇又は武力の行使を禁じる『国連憲章』第2条第4項にも違反している」と厳しく非難し、以下のとおり反論した。
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台湾海峡の平和と安定を維持することは、すでに国際社会の共通認識となっている。ドイツ外相もたびたび「国連憲章」における武力不行使の原則を引用し、台湾海峡での武力行使に反対するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し強調している。こうした論述は、台湾と近い理念を持つ国々が国際法やルールに基づく国際秩序を重視していることを示すものだ。
外交部は改めて強調する。第二次世界大戦の終結後、国際法上の効力を有する「サンフランシスコ平和条約」が、「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」などの政治的声明に取って代わった。同条約は、台湾を中華人民共和国に引き渡すとは定めていない。また、中華人民共和国が台湾を統治したことは一度もない。ゆえに、台湾は決して中華人民共和国の一部ではないのである。
さらに台湾は、1980年代半ばから、ボトムアップ型の政治的自由化と民主化へのシフトを開始した。1996年には初めてとなる総統直接選挙が実施され、行政部門と立法部門のいずれも台湾の人々が民主的手続きによって選出した中華民国政府が台湾を実効的に統治し、対外的に台湾を代表する唯一の合法政府であることが確立された。中華民国台湾はさらに、2000年、2008年、2016年に3度にわたって政権交代を経験し、台湾の民主制度と主体意識を引き続き強化するとともに、自由と民主主義体制を守るという台湾の人々の強い意志を明確に示してきた。
以上の歴史的事実に基づき、外交部は改めて強調する。中華民国台湾は主権を有する独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属関係にないことを。これは台湾海峡の客観的な現状であるだけでなく、国際社会が認める事実でもある。国際社会や多国間の国際組織・機構において台湾に住む2,300万の人々を代表できるのは、台湾で民主的に選ばれた政府のみであり、中国がそれに口を挟んだり干渉したりする権利はないのである。