2025/12/05

Taiwan Today

外交

頼清徳総統、「台湾海峡の平和を守るために最悪の事態の想定と最善の準備が必要」

2025/12/05
頼清徳総統はこのほど米紙『ニューヨーク・タイムズ』が主催する「DealBook Summit」にオンライン参加し、司会を務めたジャーナリストのアンドリュー・ロス・ソーキン氏のインタビューに応じ、台湾の国防、中台関係、台米関係、ロシア・ウクライナ戦争、半導体産業などさまざまな話題に対して持論を展開した。(総統府)
頼清徳総統はこのほど米紙『ニューヨーク・タイムズ』が主催する「DealBook Summit」にオンライン参加し、司会を務めたジャーナリストのアンドリュー・ロス・ソーキン氏のインタビューに応じ、台湾の国防、中台関係、台米関係、ロシア・ウクライナ戦争、半導体産業などさまざまな話題に対して持論を展開した。インタビューの内容は4日未明に放送された。頼総統は、国の安全を守るため、また台湾海峡の平和と安定を維持するという責任を果たすために防衛特別予算を提出したと述べ、「我々は最悪の事態を想定すると同時に、最良の準備をする必要がある。中国人民解放軍がいつ行動を起こしても、台湾はまず準備を整えておかなければならない。それが基本的な原則だ」と訴えた。以下は頼総統の発言の一部を抜粋したもの。
 
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台湾侵攻を想定した中国の軍事演習はますます頻繁に行われるようになり、その規模も拡大傾向にある。それはときに第一列島線を越えて第二列島線にまで及び、インド太平洋地域に影響を与えている。また、中国の台湾に対する統一工作や浸透もますます巧妙になってい。国の安全を守り、台湾海峡の平和と安定を維持するという責任を果たすため、私は今後8年間で国防予算を400億米ドル増額することを決めた。
 
平和は何よりも価値があり、戦争に勝者はいないと固く信じている。しかし、平和に理想を求めることがあっても、幻想を抱くべきではない。平和は実力によってのみ得られる。それゆえ、台湾は国防予算を増やして防衛力を強化すると同時に、中国への依存を減らし、経済の強靭性(レジリエンス)を高めている。
 
2010年当時、台湾の対外投資の83.8%は対中国投資であった。しかし、昨年(2024年)はこの比重が約7%にまで減少した。また、台湾は民主陣営と共に立ち、肩を並べることで抑止力を発揮している。備えによって戦いを避けることで、平和という目標を達成しようとしている。
 
中国の国家主席である習近平氏は、2027年を目標に中国人民解放軍が武力による台湾統一の準備を進めていると述べた。これに対して我々は、最悪の事態を想定すると同時に、最良の準備をしていなければならない。中国人民解放軍がいつ行動を起こそうとも、台湾はまず準備を整えておかなければならない。これが私たちの基本原則だ。
 
私はこの場を借りて国際社会に訴えたい。台湾は必ずや自身の手で自国を守り、同時に地域の平和と安定を維持する。また、G7、米国大統領、日本の政治指導者など、国際社会が台湾海峡の平和と安定に強い関心を寄せ、台湾海峡の平和と安定こそが世界の安全と繁栄にとって必要不可欠な要素であると強調してくれていることに深く感謝したい。
 
こうした国際社会におけるリーダーたちの一致した主張は、台湾社会の安定や地域の平和的発展にとって大きな助けとなっている。私は台湾が国際社会と一緒になって、ルールに基づく国際秩序を維持していけるよう強く望んでいる。
 
 

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