林部長はまず、APECはアジア太平洋地域で最も重要な経済・貿易フォーラムであり、取り上げる議題は多岐にわたると指摘。とりわけ科学技術、デジタル、スマート医療、詐欺対策といった分野は、台湾の政府の施政の重点との一致性が高く、また台湾がAPECにおいて積極的かつ具体的な貢献をしていることなどを強調した。林部長はさらに、近年、APECは官民連携を非常に重視しているとして、台湾の各省庁が産業界とのAPECにおける連携を一層強化し、台湾の民間セクターが有する豊富なエネルギーを活用して「総合外交」を推進し、頼清徳総統が掲げる「経済の日の沈まない国」という政策ビジョンを具現化するために積極的に取り組んで欲しいと期待を寄せた。
また林部長は、9か月にわたる努力の末、外交部がAPECに「フューチャー・ヘルスケア・サブファンド」の設立を実現させたことに言及し、これは台湾にとってこの10年で初めてAPECで推進に成功した大型イニシアティブであると紹介。各省庁に対し、このサブファンドを積極的に活用して台湾に関連の会議やイベントを誘致し、デジタルヘルスやスマート医療分野における台湾の卓越した成果を共有することで、「Taiwan Can Help」や「Taiwan Can Lead」といった外交部のスローガンを体現し、同時に台湾企業のビジネスチャンス創出につなげられるよう期待した。
各省庁の代表は、外交部が長年にわたり台湾のAPEC参加に関してさまざまな支援を行ってきたことに感謝した上で、今後は省庁横断型の調整・統合、それに官民連携を積極的に実行し、APECにおける台湾の存在感と影響力をさらに高めていくことで一致した。
台湾は1991年にAPEC加盟を果たし、今年で35年目を迎える。これまで常に「対等の立場」で他の加盟国(エコノミー)と交流してきた。すべての加盟国による平等な参加はAPECの核心原則であり、この原則は2024年および2025年に、すべてのAPEC加盟国の共通認識として閣僚級会合(AMM)の共同声明にも盛り込まれた。それに加えて中国は2024年のAPEC首脳会議(AELM)開催期間中、APEC加盟国に対してすべての参加者の人身の安全を確保することを書面で約束した。
なお、2026年のAPEC議長国は中国で、その首脳会議は2026年11月18日と19日の両日、中国南部・広東省深圳で開催されることになっている。しかし、中国は台湾の参加条件として「一つの中国」の原則の順守と「中国台北」(チャイニーズタイペイ)名義での参加を要求している。
こうしたことを背景に外交部は中国に対し、議長国としての責任を果たし、APECの規則・慣例・実践を確実に遵守し、台湾のAPECの平等参加という基本的権利を尊重するとともに、台湾のAPEC参加者の人身の安全を保障するよう強く要求している。