2026/02/05

Taiwan Today

外交

外交部の林佳龍部長、国際政治経済ジャーナル『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿

2026/02/05
外交部の林佳龍部長(外相)は、米外交問題評議会(CFR)が発行する国際政治経済ジャーナル『フォーリン・アフェアーズ』(Foreign Affairs)に「The Free World Needs Taiwan:Why Solidarity Will Protect Prosperity」(自由世界は台湾を必要としている:なぜ連帯が繁栄を守るのか)と題する文章を寄せ、地域の安定と世界の繁栄を維持するためには、自由民主主義諸国が台湾との連携を一層深化させることが不可欠であると強調した。(『フォーリン・アフェアーズ』ウェブサイトのスクリーンショット)
外交部の林佳龍部長(外相)はこのほど、米外交問題評議会(CFR)が発行する国際政治経済ジャーナル『フォーリン・アフェアーズ』(Foreign Affairs)に、「The Free World Needs Taiwan:Why Solidarity Will Protect Prosperity」(自由世界は台湾を必要としている:なぜ連帯が繁栄を守るのか)と題する文章を寄せた。林部長は、民主主義の価値、インド太平洋の安全保障、そしてグローバル経済体制における台湾の重要な役割などを体系的に論じ、地域の安定と世界の繁栄を維持するためには、自由と民主主義を掲げる国々が台湾との連携を一層深化させることが不可欠であると強調した。以下はその摘要。
 
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台湾は長年にわたり民主主義、自由、人権、法の支配を守るために取り組んできた。1996年には初めての総統直接選挙を実施。それ以降、台湾は成熟かつ安定した民主主義制度と、極めて活発な市民社会を築き上げ、世界の自由・民主主義国家と中核的価値を共有してきた。こうした基盤は、台湾と国際社会を結びつける重要な根幹であると同時に、「自由世界」における信頼できるパートナーとしての台湾の地位を確固たるものにした。
 
台湾の重要性は民主主義の価値にとどまらず、代替不可能な戦略的・経済的地位にも表れている。台湾は世界の海上交通の要衝に位置し、インド太平洋地域の安全保障に極めて大きな影響力を持つ。同時に半導体、先端電子技術、人工知能(AI)、再生可能エネルギーといった分野で世界トップクラスの実力を有し、信頼できるグローバル・サプライチェーンで必要不可欠且つ中核的な拠点となっている。
 
中国が台湾に対して継続的に行っている軍事的脅威、経済的威圧、政治的浸透といった行為は台湾の安全を脅かすのみならず、ルールに基づく国際秩序に深刻な影響を与えている。台湾は長年、中国によるグレーゾーン行為、情報操作、経済的威圧に直面しており、実践の中で豊富な経験を蓄積してきた。これらは、他の民主主義国家が全体的なレジリエンスを高める上で重要な参考になるだろう。
 
台湾はいま、従来の「価値外交」から一歩進み、能力と貢献を中核とする「付加価値外交」を推進している。貿易・経済協力、科学技術のパートナーシップ、制度的経験の共有を通じて、近い理念を持つ国々に実質的な利益をもたらしている。台湾は民主陣営の一員であるだけでなく、パートナー国の安全と繁栄を積極的に後押しする存在でもある。その具体例の一つに「栄邦計画」(国交樹立国との協力を強化し、共に繁栄を目指す国際協力の枠組みのこと)がある。例えばパラオとはグリーンエネルギーを燃料とすることで二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代ゼロエミッションの船舶の開発支援を行い、パラグアイではスマートテクノロジーパークの開発、エスワティニ王国とはスマート医療やエネルギー分野での協力深化などを進めている。これらは、協力・透明性・持続可能性を重視する台湾の海外支援のモデルが、「借金漬け外交」を特徴とする中国の手法と大きく異なることを示している。
 
また、米国は台湾の安全保障と経済にとって重要な支柱である。最近合意された台米貿易協定で台湾は、「台湾対米投資チーム」という構想を打ち出し、米国の半導体やハイテク産業に2,500億米ドルを投資することを約束した。さらに、台米が協力してAIの発展を推進するとともに、台湾企業の対米投資を支援するため、追加で2,500億米ドルの信用保証を提供することを決めた。この協定を基盤に、「台米連合艦隊」を結成して二国間の経済・貿易関係を深化させ、サプライチェーンの統合を強化するとともに、「台米経済繁栄パートナーシップ対話(Taiwan-US Economic Prosperity Partnership Dialogue, EPPD)」などの対話の枠組みを通じて協力を具体化しようとしている。加えて台米間では、テキサス州およびアラスカ州におけるエネルギーと技術分野の投資協力が拡大している。双方はまた、人工知能(AI)や半導体のサプライチェーン確保に向けた米国主導のイニシアチブ「パックス・シリカ宣言」の実現に共同で取り組み、AIサプライチェーンの安定と安全を確保し、経済安全保障協力のロードマップを策定することで、「台米共生のパートナーシップ」を明確に示している。
 
権威主義の拡張とサプライチェーンリスクの高まりを背景に、国際社会は単一市場への過度な依存の代償を改めて見直している。世界の半導体およびAI産業における台湾の中核的地位は、民主主義国家にとってリスク分散、経済安全保障の強化、サプライチェーンのレジリエンス向上を図る上で理想的なパートナーであることを示している。
 
最後に、台湾が世界保健機関(WHO)やCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)といった国際的枠組みに参加できないことは、台湾にとって不利益であるだけでなく、世界全体にとっても損失だ。「自由世界」が平和・安定・繁栄を維持したいのであれば、台湾と手を携えて協力しなければならない。価値と利益のいずれの観点から見ても、台湾との協力はより高い安全保障、より安定した経済発展、そして権威主義の圧力に対抗するための重要な経験をもたらすものであり、これこそ「自由世界が台湾を必要とする」ことの根本的な理由にほかならない。
 

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