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米国のトランプ政権が新たな国防戦略として「衝突回避」(deconfliction)へと舵を切り、その対中国政策が注目されている。台湾は「行動は言葉にまさる」(deeds are more important than words)と考え、これを重視している。たとえ米国の行政機関が戦略的に言葉遣いを調整することがあったとしても、トランプ大統領は昨年(2025年)12月に総額110億米ドルを超える対台湾武器売却を承認したり、関連する貿易協定にも署名したりしており、これは台湾の安全保障に対する米国の実質的な支持とコミットメントを明確に示すものだ。台湾の米国に寄せる信頼は始終揺るがない。
米国は最近、ベネズエラに対する軍事行動に踏み切ったが、これはむしろ中国に対して、「米国は外交目標を達成するための能力と、軍事手段を行使する意思も備えている」ということを明確に示すシグナルになった。また、経済・貿易・科学技術分野について言えば、先ごろ行われた第6回「台米経済繁栄パートナーシップ対話」(EPPD)で、台湾と米国は無人機、クリティカルミネラル(重要鉱物)、科学技術のサプライチェーン(供給網)などでの協力へ向けて高いコンセンサスを得たばかりだ。
台湾の半導体分野の優位性は、いわゆる「シリコン・シールド」(Silicon Shield)と形容されている。しかし、台湾の重要性は半導体産業が発展する以前から存在していた。その核心的価値は戦略的に重要な地理的位置と、苦労して手に入れた民主主義体制にある。半導体は、台湾海峡の安定への世界の関心をより高める「補足的な一層の保障」にすぎず、決して唯一の防護層ではない。台湾の価値は、単なるチップ生産のみに矮小化されるべきではない。
「安全保障は無料ではない」(no more free ride)。台湾は自己防衛の強い決意を示さなければならないが、「国防特別予算条例」の立法院(国会)での審議がなお進んでいない。しかし、これは民主政治における正常なプロセスであり、政府は引き続き対話と協議を通じて合意形成を図り、予算成立を推進する。これにより、台湾が自国の安全を守り、自己防衛を強化するための確固たる意思を持つということを国際社会に示していきたい。
一部の友好国・同盟国が中国との関係改善を模索していると伝えられている。国際社会には慎重に考えて欲しい。「中国の指導者である習近平氏は信頼に値する人物かどうか」ということを。中国は民主国家の生活様式や制度を破壊しようとしている。各国は中国との関係を、米国に対抗するための手段として捉えるべきではない。台湾が日本やフィリピンなどとの協力を深化させているのは、単なる「回避」(hedging)のためではなく、積極的にパートナーシップを拡大する取り組みである。
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『フォーリン・ポリシー』(Foreign Policy)は1970年創刊。世界的に影響力を持つ国際関係評論誌であり、地政学、グローバル安全保障、外交政策に関する深い分析で知られる。その報道と分析は、ワシントンの政策決定者や国際外交界に大きな影響を与えている。