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中国は近年、台湾海峡、東シナ海、南シナ海で軍事展開を拡大しており、グレーゾーン行為を通じて徐々に現状を変えようとしている。第1列島線にある国々は「安全保障上の空白」を生まないよう、協調のメカニズムを強化する必要がある。第1列島線はどれ一つとして欠けてはならない。しかし、台湾はいまだに、制度的にこれに組み込まれていない。台湾が欠ければ、インド太平洋の安全保障体制は完全かつ有効な地域の安全ネットワークを形成することが難しくなるだろう。
中国はすでに、自国の軍用機や軍艦を第1列島線全体で活動させている。中国はいままさに、ニュー・ノーマル(新常態)を作り出そうとしている。これに対して関係国は個別に対応するのではなく、全体的な戦略に基づいて一丸となり対応すべきだ。インド太平洋地域を一体の「戦域」と捉える「ワンシアター(1つの戦域)」の概念があるが、第1列島線のどこか一カ所で危機が発生しても、域内のすべての国が影響を受けるため、より緊密な情報共有、共同訓練の調整、危機対応計画の策定を通じて役割分担と責任分担を強化し、全体的な抑止力と協調能力を高める必要がある。
台湾と米国の関係について言えば、米国は「台湾関係法」や台湾に対する「6つの保証」に基づき、台湾の安全保障への支持を継続的に強化している。最近承認された約110億ドル規模の台湾に対する武器売却計画については、台湾の自衛能力を強化するとともに責任分担を促進し、地域の軍事バランスを維持することを目的としている。台湾は中国との軍拡競争を望んでいるのではなく、効果的な抑止力を構築することを目指している。第1列島線に位置する国々や近い理念を持つ国々との協調を通じて総合的な抑止力を持ちたいと考えている。また、米中交渉で台湾問題が取り上げられるのではないかとの懸念があるが、台湾と米国の関係は安定して発展しており、トランプ米大統領はかつて「台湾は台湾だ」(Taiwan is Taiwan)と公言したように、台湾が対中交渉の取引材料になることはないと考えている。
日本の役割について言えば、2月8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙で日本の高市早苗首相が率いる自民党が圧勝したことに祝意を示すとともに、日本が「安保3文書」の改定や防衛産業の基盤強化を進めていることを歓迎する。日本がより安全保障において積極的な役割を担い、防衛産業や科学技術協力などの強化を図れば、第1列島線全体の抑止力強化につながるだろう。また、第1列島線に位置する民主主義のパートナーは共通の安全保障上の課題に直面しており、制度的な結び付きと協力のメカニズムをさらに深化させ、地域の平和と安定を守るためにともに取り組んでいくべきだ。
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『The Japan Times』は1897年創刊の日本を代表する英字新聞の一つであり、長年にわたり外交、安全保障、地域戦略の問題を注視してきた。今回のインタビューは、地域の安全保障協力を深化させ、第1列島線の協調メカニズムを強化し、制度的な抑止力によって台湾海峡の平和と安定を維持したいとする台湾の政策方針を国際社会に明確に伝えるものとなっている。