蕭副総統は、ここ数年で台湾が社会全体の防衛をより重視するようになっていると強調した。関連する取り組みは、これまでの一部の国家安全機関だけでなく、政府全体へと広がり、さらに民間とも連携しながら、制度化や役割分担が着実に進んでおり、すでに大きな成果が出ていると述べた。一方で、これは長期にわたる大規模な取り組みであり、課題や脅威も変化し続けるため、継続的な見直しと改善が欠かせないと指摘した。そして、政府が「台湾民防年会」を支援し、国民に責任ある市民として積極的に関わるよう呼びかけているのはそのためだと説明した。
また、台湾の人々は平和を愛し、他者に善意をもって接し、戦争に反対しているとしたうえで、だからこそ自由で民主的な社会を守る力が必要だと強調した。その力は、言葉やネット上の議論だけでなく、実際の行動によって培われるものだと述べた。
さらに今回の重要なテーマの一つである「無人機」についても言及し、ウクライナや中東の戦争から分かるように、無人機や関連技術は今後の安全保障や防衛で重要な役割を担うと指摘した。また、国の安全保障の最前線は、海や空、沿岸だけでなく、インターネットや宇宙空間にまで広がっているとし、こうした分野には技術で対応していく必要があると説明した。そのうえで、現在審議中の国防特別予算は、情報の統合や科学技術の活用だけでなく、社会全体のレジリエンス(対応力・回復力)を支える仕組みづくりにも重点を置いており、これらはすべてつながっていると強調した。そして、これは平和・自由・民主主義を大切にするすべての台湾人に共通する責任だと訴えた。
最後に蕭副総統は、台湾が直面する課題は地政学だけでなく、地震や台風といった自然災害も含まれると述べた。災害のたびに社会の迅速な対応力と回復力が試されるが、これこそが「レジリエンス」の本質だと説明。レジリエンスは平穏な状況で自然に身につくものではなく、さまざまな挑戦を乗り越える中で蓄えられ、将来の困難に立ち向かう力を高めていくものだと述べた。
続いて外交部の呉志中政務次長は、頼清徳総統と蕭副総統の推進と支援のもと、外交部や内政部など各省庁が黒熊学院など民間団体と連携し、台湾社会全体でより充実した民間防衛体制の構築を進めていると説明。そして、国家政策として掲げる「社会全体の防衛レジリエンス強化」を実現するため、以下の3点を強調した。
1.自由な社会ほど、開かれた議論を通じて共通理解と力を結集できる。
2.備えのある市民ほど、不確実な時代に自分たちの大切な生活様式を守ることができる。
3.互いに支え合う民主主義のパートナーほど、権威主義の拡張や侵略を共同で抑止できる。
さらに呉次長は、台湾が一貫してウクライナを支持していることを強調。ロシアによるウクライナ侵攻以降、台湾は水力や電力などの重要インフラ、学校や病院の復旧支援を行うとともに、スマート技術、医療、人材育成などの分野での協力を通じて、ウクライナ国民が最も困難な時期を乗り越えられるよう支援してきた。また、台湾は第二次世界大戦後に政治・経済改革を順調に進め、高度なハイテク産業を発展させ、世界の民主的サプライチェーンと連携してきた経験を持つ。この経験はウクライナや世界と共有する価値があると述べ、台湾は今後も国際社会と協力し、自由と民主主義を守り続けると訴えた。
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「2026台湾民防年会」は3月28日と29日の両日、台北市内で開催され、政府関係者、民間専門家、海外の参加者を含む約1,000人が参加した。議題はウクライナの経験と社会のレジリエンスに焦点を当て、2日間にわたる交流を通じて、台湾が民間防衛および社会全体の防衛体制をどう強化するかが議論された。また、エネルギー、通信、社会維持、戦略的コミュニケーションの4つの分野から、台湾社会のレジリエンスと自衛力の向上が目指された。