台湾北東部・宜蘭県を拠点に活動するダンスグループ「蘭陽舞踏団」を設立したイタリア出身の秘克琳(ジャン・カルロ・ミケリーニ)神父が4月4日、91歳で死去した。文化部の李静慧政務次長(副大臣)は9日に追悼ミサに出席、国家に多大な貢献をもたらした国民へ贈られる公文書である「総統褒揚令」を贈呈した。カトリック・カミロ修道会のエヴァン・ポール・ビリャヌエバ神父が代理でこれを受け取った。
ミケリーニ神父は1935年にイタリアのボローニャに生まれ、子供のころから、目に映るものすべてが、芸術の天才が心血を注いだ結晶だということが感じられる豊かな芸術に囲まれて育った。1964年に宣教のため来台し、台湾の風土や人々、民俗や祭りなどに感銘を受け1966年に、芸術を広める活動に取り組む「カトリック羅東青年育楽センター」(現在は「カトリック蘭陽青年会」)と「蘭陽舞踏団」を設立した。子供たちのためにさまざまな芸術を教えるクラスを開講し、民族文化の普及と伝承に尽力した。
また、台湾が置かれた外交的な地位に屈することなく、ミケリーニ神父は1974年に舞踏団とともにイタリアに赴き、ヴァチカンでの公演を実現した。さらに、カトリック蘭陽青年会では地元の伝統的な舞踏に絶えず新風を吹き込み、同会は2012年には宜蘭県において伝統舞台芸術「舞踏−民族舞踏」の保存団体として登録がなされるに至り、宜蘭の民族舞踏の保存と人材育成の重要な拠点となっている。芸術教育をより確かなものとし、台湾に国際的な友好の道を切り拓いたとして、文化部の第2回国家文化遺産保存賞(保存貢献の部門)を受賞した。
文化部の李政務次長は、ミケリーニ神父の死は惜しまれるばかりだが、文化部は今後も蘭陽青年会が取り組む芸術教育活動をサポートし、蘭陽の地に根付いた貴重な無形文化遺産の精神を伝えていきたいと述べた。