世界保健機関(WHO)年次総会(世界保健総会、WHA)が18日、スイス・ジュネーブで始まった。中華民国台湾と正式な外交関係を持つ友好国の代表者らは、台湾をオブザーバーとして参加させることを提案したが、中国などが反対。WHO総会は、台湾に関する提案を大会の議事日程に含めないことを決定した。
これを受けて中華民国(台湾)外交部は、中国が国連総会第2758号決議(1971年10月25日に採択されたいわゆる「アルバニア決議」)および世界衛生総会第25.1号決議を曲解し、台湾のWHA参加は中国側が主張する「1つの中国」の原則に基づいて処理されるべきだと主張していることは誤りだとして強く反発した。台湾の外交部が同日発表したプレスリリースは以下のとおり。
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中国は、台湾がWHOに参加するためには中国の同意が必要であると繰り返し主張し、公衆衛生上の利益より政治を優先させようとしている。しかし周知の通り、国連総会第2758号決議およびWHA第25.1号決議はいずれも「中国の代表権」のみを扱ったものである。その決議文に台湾への言及はなく、中華人民共和国に対して国連体系内で台湾を代表する権限を与えるものでもなければ、台湾が中華人民共和国の一部であると宣言しているわけでもない。しかしながら中国は長年にわたり、これら2つの決議を自らが主張する「1つの中国」という原則の法的根拠として曲解し、それを台湾の主権的地位と不当に結び付けることで、台湾の国際参与の空間を圧迫してきた。このような解釈は、この決議の原文および国際法理から完全に逸脱したものであり、米国をはじめとする近い理念を持つ国々や友好国、さらに欧州連合(EU)からも疑問視され、反対されている。
WHOは本来、世界の公衆衛生を担う専門機関である。それは人類全体の健康と福祉の促進を核心的使命としている。そのため台湾の参加に関する問題についても、世界的な公衆衛生上の利益や専門的必要性の観点から判断すべきである。しかしながら現実には、中国が設定した政治的前提条件に縛られ、台湾をWHO総会へ招待できずにいることは大変遺憾である。さらに、中国は長年にわたり、WHOが技術的会議や関連のメカニズムへの台湾の平等な参加について対応することを不当に妨害してきたうえ、台湾の「技術参与」(正規加盟やオブザーバーとしての参加ではないにしろ、会議に実務的に参加すること)は十分に確保されていると虚偽の情報を散布している。これは、世界的な公衆衛生情報の共有や感染症対策に関する越境協力等の重要性を著しく軽視する行為である。
台湾がWHO総会への参加を求めることは、人類全体の健康権益およびグローバルな公衆衛生体系の完全性を左右する問題である。とりわけ台湾は感染症対策、国民健康保険、デジタル医療、医療衛生支援などの分野において豊富な専門知識と経験を有しており、長年にわたり国際医療協力や公衆衛生に関する能力構築を通じて、友好国の医療レジリエンス向上に大きく貢献してきた。たとえ中国が、WHOによる台湾への招待状発行を阻止したとしても、台湾が世界の公衆衛生・防疫に果たしてきた貢献や、台湾の医療能力および民主的価値への国際社会からの高い評価まで止めることはできないのである。
世界のヘルス・ガバナンスから誰一人取り残されるべきではない。外交部は今後も「総合外交」を展開し、官民連携と台湾の科学技術力を通じて友好国や近い理念を持つ国々との関係を深め、医療・公衆衛生分野における国際協力や「医療を軸とした産業連携」のモデルを積極的に推進し、台湾に住む2,300万の人々が持つ国際参加の権利を断固として守っていく考えである。