海洋に関する課題について議論する「第11回アワ・オーシャン(私たちの海洋)会議」(OOC 11)が16日から18日まで、ケニアで開催されている。14日にモンバサ(Mombasa)で開催された事前学術交流会では、ケニア政府の招きを受けた台湾の某国立大学の女性研究者が研究報告を発表する予定だった。しかし、会場で入場登録を行おうとした際、主催者側から中華民国台湾の旅券(パスポート)は承認できないとの理由で入場証の発行を拒否された。この女性研究者はその後、ケニアの入国管理局によって空港内の留置所に連行された。台湾側の懸命な交渉にも関わらず、女性は旅券および携帯電話を押収され、20時間以上にわたり拘束された後、ようやく出国便への搭乗が認められた。女性は16日、無事帰国した。第11回アワ・オーシャン会議には、外交部と海洋委員会が従来のように代表団を組織して参加するため、すでに台湾を出発していたが、ケニア政府による極めて非友好的な対応と代表団員の身の安全を考慮した結果、同会議への参加を取りやめることを決定した。この一件につき、外交部は以下のとおりプレスリリースを発表した。
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中国がケニア政府に圧力をかけ、わが国の学者による海洋に関する学術交流会議への参加を妨害したこと、さらには旅券や携帯電話を押収し、身体および通信の自由を制限したことは、人権および国際慣例に反する野蛮な行為である。外交部は厳正な申し入れを行い、強く非難する。
わが国は、世界の海洋の持続可能性を推進するための、必要不可欠且つ重要なパートナーとして、2015年より「アワ・オーシャン会議」(OOC)に参加してきた。「専門性、実務性、貢献性」の原則に基づき、海洋分野における国際交流と協力を積極的に推進するとともに、台湾の学術界による参加を奨励し、海洋生態系の保全に向けたわが国の取り組みと研究成果を国際社会と共有してきた。しかるに、今回のOOC開催にあたり、主催国であるケニア政府は中国から強い干渉と圧力を受け、わが国が長年の参加で蓄積してきた実績と卓越した貢献を顧みることなく、わが国の参加を排除したばかりか、会議に参加するために渡航した台湾の学者の身柄を拘束した。これは、中国の横暴な外交手段と、海洋の持続可能性という専門的課題よりも政治を優先するという政治的発想を改めて露呈したものである。OOC主催国であるケニアが自ら中国の政治的手先となり、OOCが掲げる包摂性と協力の原則に公然と反したことに、外交部は強く抗議する。
中国による台湾の国際参与への妨害は、暴力団の嫌がらせに近いものがある。中国はこのような野蛮で、海洋分野における国際協力を損なうような行為を即刻停止すべきである。また、友好国・同盟国に対しても、この事態を重視し、中国による威圧的外交のエスカレーション抑止に取り組むよう呼びかけたい。
台湾は海洋国家として、これまでも世界の海洋生態系の保全や環境の持続可能な発展に積極的に取り組んできた。中国の横暴な行為を恐れず、屈服せず、今後も国際社会と連携しながら、海洋問題における国際協力の推進に尽力していきたい。
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この一件については海洋委員会、大陸委員会もそれぞれプレスリリースを通じて強く抗議している。海洋委員会の管碧玲主任委員(大臣に相当)は、「世界の海洋を取り巻く課題がますます深刻化している今こそ、必要なのは参加の制限ではなく協力の拡大であり、排除ではなく貢献の促進である」と改めて強調。「台湾には海洋保全に貢献する能力、経験、そして決意がある。いかなる政治的要因も、海洋の持続可能性と安全という共通目標よりも優先されるべきではない」と訴えた。また、大陸委員会は、中国当局は「一つの中国」の原則を掲げ、各国に圧力をかけて台湾の国際参与を妨害しているが、それによって「中華民国台湾と中華人民共和国が互いに隷属しない」という台湾海峡の現状が変わることはなく、また台湾がこれまで一度も中華人民共和国の一部であったことがないという客観的事実が覆されることもないと指摘。台湾の人々は中国の威圧や脅迫に、断固譲歩せず、屈服もしないと強調するとともに、今後も友好国との連携を強化し、海洋問題に関する国際協力および持続可能な発展に貢献していきたいとしている。