外交部は、南アジア、東南アジア、ニュージーランド、オーストラリアなど合計18か国との幅広い関係強化を目指す「新南向政策」の推進に合わせ、同政策対象国の旅券(パスポート)所持者に対して渡航の便宜を図っている。外交部は4月21日、関係省庁を集めた会議を開催し、(1)タイ、ブルネイ、フィリピンの旅券所持者に対する査証免除(ノービザ)措置の試験実施、(2)交通部観光署の「観宏専案」(観宏プロジェクト)に基づき実施する東南アジア諸国(インド、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、ラオスの6か国)の旅券所持者を対象にした団体旅行客向け電子ビザの発給、(3)内政部移民署が実施する東南アジア諸国の旅券所持者を対象にした事前のオンライン入国審査(Travel Authorization Certificate, TAC)による条件付きビザ免除入国などについて、実施状況を総合的に検証した。
その結果、(1)のタイ、ブルネイ、フィリピンの旅券所持者に対する査証免除(ノービザ)措置の試験実施期間をさらに1年間延長し、2026年8月1日から2027年7月31日まで継続することを決定した。
また、(2)と(3)のインド、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、ラオスの6か国の旅券所持者を対象とする「観宏プロジェクト」及び事前のオンライン入国審査(Travel Authorization Certificate, TAC)による条件付きビザ免除入国については、2026年8月1日よりカンボジアを対象から除外し、残る5か国についてのみ実施期間を2027年12月31日まで延長することを決めた。
外交部によると、台湾は2018年8月以降、カンボジアの旅券所持者を対象に、TACによる条件付きビザ免除制度や「観宏プロジェクト」に基づく団体旅行客向け電子ビザの発給など、台湾入国にかかる査証(ビザ)の優遇措置を実施し、人的交流の拡大を通じて、カンボジア政府および国民の台湾理解促進を図ってきた。
しかし、こうした台湾側の善意に対して、カンボジア政府は長期にわたり平等互恵の対応を示さず、ひいては中国と結託して台湾の主権を貶める発言や、中国側による武力による統一を支持するような不適切な発言を繰り返し、台湾の国家としての尊厳や国民感情を傷つけてきた。また、近年、カンボジアを拠点とする大規模な国際特殊詐欺事件も多発している。こうしたマイナスの事件が、台湾各界および国民から強い関心と深刻な懸念を招いていることを鑑み、外交部はカンボジアに対する査証優遇措置の停止を決定した。
今後台湾への渡航を希望するカンボジア旅券所持者は、台湾の在外公館を通じて査証を申請しなければならない。査証優遇措置の再開の有無について外交部は、カンボジア政府の対台湾政策を踏まえた上で改めて検討するとしている。