日本維新の会の前原誠司衆議院議員。(写真:総統府)
【頼清徳総統】
台湾と日本はともに第1列島線に位置し、自由と民主主義という普遍的価値を共有している。また、地震や台風などの自然災害、権威主義の拡大という脅威にも直面している。双方の人々は深い友情で結ばれており、苦楽を共にする運命共同体とも言える。
近年中国は東シナ海、台湾海峡、南シナ海周辺の国々に対し、軍事行動やグレーゾーンの威圧、域外干渉、越境弾圧などの手段を繰り返し用い、一方的な現状変更を試み、地域の平和と安定を損なおうとしている。台湾や日本をはじめとする民主主義国家は、一致団結して協力し、自衛力を共同で高めるとともに、社会全体の防衛レジリエンスを強化することによって、双方が存立の基盤とする民主主義、平和、繁栄を守っていかなければならない。
日本政府が台湾海峡情勢や台湾の国際参与に関して、さまざまな国際場裏で台湾のために発言し続けていることに深く感謝する。日本維新の会が党綱領「維新八策」において、台湾のことを普遍的価値と原則を共有するパートナーと位置づけ、台湾と日本の実務的な安全保障協力の推進を主張していることにも感謝する。また、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調し、武力や力による一方的な現状変更の企みに強く反対する姿勢を示していることを評価する。
現在、台湾と日本は従来のような安全保障分野だけでなく、ハイテク産業のサプライチェーンのレジリエンスなど、経済安全保障分野でも共通する課題と試練に直面している。こうした中、日本維新の会の有志の皆さんが、台湾と日本が各分野・各レベルで交流・協力を拡大し、半導体やドローンなどの戦略的産業での協力を深化させていけるよう期待する。また、この地域における持続可能かつ繁栄した発展を確保し、手を携えて「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを実現していきたい。最後に、長年にわたり台湾と日本の関係発展を促進してきた日本維新の会に改めて感謝し、今回の訪台が実り多いものとなるよう祈念している。
【前原誠司衆議院議員】
本日は多忙中のところ、面会の時間を割いていただき感謝する。また、今回の訪台は台湾日本関係協会の謝長廷会長による多大な尽力により実現したものだ。先週、自分は日米議員連盟のメンバーとともに米ワシントンを訪問し、複数の米国連邦議会議員と意見交換を行った。また、トランプ大統領が台湾への武器売却をめぐって中国に譲歩する可能性に対して懸念を表明してきた。24日には米中首脳会談が予定されているが、米国はアジア太平洋地域の安定を維持するため、引き続き抑止力を強化し、台湾への武器供与を行うべきだと考えている。日米議員連盟の双方はこの点で一致した認識を示している。
先ほど頼総統が述べたように、台湾と日本は法の支配、民主主義、自由などの価値を共有しており、武力によって現状を変更すべきではないとの一致した認識を持っている。そのため、抑止力を維持することは非常に重要であり、今後もこの問題を重視していくべきである。
また、AIはすでにテクノロジー、安全保障、国際競争における重要な要素となっており、米中間の競争も激しさを増している。米国や中国を含む各国が足並みをそろえて対応しなければならない。一部の国だけがAIの研究開発を減速させても、中国が同様に対応しなければ、競争の均衡や公平性に影響を及ぼす可能性がある。また、世界規模でAIへの大規模な投資が行われている中、開発を減速させれば、世界経済全体の減速につながる可能性もある。
頼総統をはじめとする関係者の努力の下、台湾は世界をリードする半導体産業を基盤として、AI産業においても先進的な地位を築いている。今後、双方の協力と交流がさらに深化するよう期待している。
なお、今回の訪問では、台湾における官民連携(Public-Private Partnership)やPFI(民間融資提案制度)に関する経験や取り組みについて理解を深めたいと考えている。台湾は民間の力を導入する分野で先進的な経験を有している。日本では主に空港、競技場、上下水道などの分野で活用されているが、台湾ではデータセンターやデジタルコンテンツなど、より多様な分野でも展開されている。今回の訪問を通じて台湾の経験への理解を深め、関連分野での協力を一層強化し、台湾と日本の関係をさらに深化させていきたい。