台湾の外交部長が同フォーラムで基調講演を行うのは、昨年に続いて2度目となる。会場にはポーランドをはじめ、近い理念を持つ国々の政府要人、学術関係者、市民社会の代表、メディア関係者など100人余りが出席した。講演の概要は以下のとおり。
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台湾は先端半導体、電子機器、精密製造の世界的なサプライチェーンの重要拠点である。欧州とは工業機械、自動車工学、化学工業、デザインなどの分野で高い相互補完性を持っている。また、欧州の主要な工業拠点と言えばフランス、ドイツ、ポーランドであり、これら3か国が構成する「ヴァイマール三角連合」は、ロシアによる軍事的脅威と、中国に起因する経済安全保障上の課題に直面している。互恵ではなく支配を追求する「中国モデル」とは対照的に、台湾が提供するのは技術や専門知識だけではく、民主主義、自由、人権、法の支配という共通の価値観に基づく信頼である。これこそが「台湾モデル」の真髄だ。
台湾と欧州の産業協力は、すでに欧州各地で具体化している。台湾積体電路製造(TSMC)による対ドイツ投資、環球晶圓股份有限公司(グローバルウェーハズ)による対イタリア投資、鴻海(ホンハイ)によるフランスでの先端パッケージング事業の展開などがその例であり、いずれも雇用の創出、専門技術の継承、欧州における産業エコシステムの強化を目指している。台湾は現在、ポーランドで「TEEMAテクノロジーパーク」の設立を目指している。台湾の産業力と充実した産業エコシステムを欧州の工業の中核地域に持ち込むことで、電気自動車、スマートシティ、人工知能(AI)などの分野で双方の協力を促進する計画だ。この構想は、欧州の再工業化を支える重要なプラットフォームとなるだけでなく、台湾と欧州が共同でウクライナの復興に取り組むための基盤づくりにもつながり、共通の価値観を具体的な協力の成果へと結び付けることができるだろう。
外交部長に就任してから2年半で、自分はこれまでに8回欧州を訪問し、台湾と欧州のパートナーシップが着実に深化していることを自ら確認してきた。AIは歴史に刻まれる産業革命であり、その中核を担うのが台湾である。台湾は、共通の価値観と相互補完的な強みを基盤に、欧州から真に信頼される長期的なパートナーとなり、繁栄、安全、自由に満ちた未来をともに築いていきたい。