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■南シナ海および台湾海峡の最近の情勢について
北京は台湾問題を「内政問題」としようとしているが、台湾が中華人民共和国の一部であったことはない。台湾は主権独立国家であり、改めて独立を宣言する必要はない。中国は南シナ海の軍事化を継続し、「サラミ戦術」(相手が強く反発するような大きな変化を一度に起こすのではなく、目標を小さな段階に分けて少しずつ実行し、最終的に自分に有利な状況をつくる戦略のこと)によって周辺の島々に対する支配を段階的に拡大し、地域の現状を変更し、紛争のリスクを高めようとしている。中国が軍事力を拡大し続ける中、地域諸国は協力を強化し、平和と安定を共同で維持する必要がある。
■台米関係について
台湾は米国との共通利益を深め、台湾の安全と繁栄を米国の国益の重要な一部とすることに取り組んでいる。台湾積体電路製造(TSMC)による米国での投資・工場建設や、台湾が計画しているアラスカ産天然ガスの調達拡大は、双方の経済・戦略方面での協力深化に寄与する。とりわけ人工知能(AI)が急速に発展する中、台湾の半導体産業は世界のサプライチェーンにおいて重要な役割を担っており、米国のハイテク産業は台湾の先端製造プロセスと技術力に大きく依存している。台米の経済・技術協力はますます緊密になっており、台湾の安全を守ることは米国の国益にも合致するのだ。
■中国による台湾への武力行使のリスクについて
中国の軍事的脅威は現実に存在する。国際社会が行動を起こさなければ、中国はいずれ武力によって台湾を奪取しようとするだろう。台湾は世界の半導体分野における重要な技術と産業能力を有しており、中国が台湾の技術資産を掌握することがあれば、世界における影響力を大幅に高め、ひいては他国が対抗することさえ困難になるだろう。そのため、中国が台湾の重要な技術を掌握することを防ぐことは、国際社会の共通利益にかなうのである。また、台湾海峡の現状維持は主要国の利益に合致している。中国が武力によって現状を変更することを防ぐため、各国は共同で取り組むべきだ。
■台湾とチェコの関係について
チェコが台湾と協力することは、台湾を一方的に支援することではなく、チェコ自身の国益を守ることにもなる。なぜなら台湾の安全と安定は、チェコの利益にも深く関わっているからだ。イタリアが中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加し、その後離脱したことからわかるように、民主主義国家は中国の経済的な約束を慎重に見極め、中国との協力に伴うリスクを十分に評価すべきだ。
■その他
半導体産業だけでなく、民主主義と自由も台湾にとって最も貴重な資産である。台湾の発展の歩みは、民主主義制度と経済的繁栄が両立し得ること、華語圏がさまざまな発展モデルを打ち立てられることを証明した。自分は台湾の将来について強い自信を持っているが、中国の軍事的脅威は台湾が現在直面する最大の安全保障上の課題である。台湾海峡でいったん戦争が発生すれば、世界に深刻な影響が及ぶ。国際社会は引き続き台湾と協力し、台湾海峡の平和と安定を共同で維持し、紛争の発生を防ぐべきだ。