外交部の林佳龍部長(外相)は今月3日、アメリカの外交問題評議会が発行する外交・国際政治専門の隔月発行政治雑誌『フォーリン・アフェアーズ』(Foreign Affairs)に、「米国のAI構想の実現には台湾の協力が不可欠」(America’s AI Ambitions Depend on Taiwan: Washington Cannot Achieve Tech Dominance on Its Own)と題する論文を寄稿し、台湾は米国にとって最も信頼できるAIサプライチェーンのパートナーであり、米国が米中間の技術競争に勝ち抜くためには台湾の協力が必要であると指摘した。林部長の主張は以下のとおり。
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台湾は米国が技術的優位性を維持する上で欠かせないパートナーである。台湾の半導体産業の発展は、数十年にわたる双方の協力、産業分業及び相互信頼の上に成り立っており、米国の利益を犠牲にしたことは一度もない。台湾は半導体の製造だけでなく、AIサーバーの製造においても優位性を有しており、米国のAI技術の大規模かつ迅速な展開を後押ししている。特に、AIをロボット、ドローン、国防システムなどの産業に組み込み、実用化することが次の段階のAI競争の焦点となる中、半導体、通信機器、精密機械の各分野における台湾の強みは、米国の強みを補完するだろう。
米国及び民主主義諸国のパートナーは、安全且つ信頼できるAIサプライチェーンの構築に向けて協力しなければならない。今後、AI競争は価値観、データガバナンス及び信頼をめぐる競争へと発展していくことが予想される。民主主義諸国のパートナーが連携してこそ、共有する価値を守ることができる。台湾は2025年に「半導体のグローバル民主主義サプライチェーン・パートナーシップ構想」を提唱し、国際情勢の変動に対応できるサプライチェーン体制の共同構築を目指してきた。また、台湾と米国は2020年から「経済繁栄パートナーシップ対話」(EPPD)を共同開催し、AIサプライチェーンの安全保障、デジタルインフラ、重要鉱物及びハイテク人材などの分野における協力について協議してきた。これにより、台湾と米国の関係は従来の経済・貿易協力から、民主主義のパートナーや同盟国を巻き込んだ技術エコシステムを共同で構築する関係へと発展している。
台湾は決して米国の競争相手ではなく、米国にとって最も信頼できるパートナーであり、ひいては米国のAI開発を推進する上で戦力を倍増させる存在(force multiplier)である。米国がAI競争に勝利することを望むのであれば、台湾は欠くことのできないパートナーとなるだろう。